PENICILLIN

今までPENICILLINを聞いてこなかった。
理由はといえば、ボーカルのHAKUEIの独特な歌い方に対する勝手な敬遠があったからだ。そういう人は多いのではないだろうか。

今回勧められて、過去の作品と、新しいアルバム「赫赫」を聞き込んだ。
エッジがきいたリズム、深い音、とにかく演奏がうまく聞き飽きない。HAKUEIのボーカルもはまっている。頭を振りたくなる。
ちなみに「赫赫」というのは「はなばなしい功名をあげるさま、光り輝くさま」という意味である(@goo辞書)。
とても、いい。中身もタイトルも。

なぜ今まで聞かなかったのかと後悔した。
聞き覚えのある「ロマンス」や「99番目の夜」でさえ演奏アレンジがとにかくかっこいいのだ。
ファンである友人に言った。
ペニシリンて演奏うまいんだねー」
「当たり前やん、ベテランやもん」
そ、そうか。ベテラン。メンバーも年代的におそらく30歳は超えているのだろう。
なのにあれだけ若い、挑戦的な音楽がつくれるのは凄い。



2003/10/18にTOUR2003「劇薬」に行ってきた。神戸チキンジョージ
ライブは、アルバムトップの曲「絶対零度」のSEからスタートした。
ダダラダダラダン、という音に続いて、曲に合わせ会場から「ぜったいれいどっ」と声が飛ぶ。
のっけから叫べるライブなんて最高。初参加なのに一緒に言いたくなった。


音源の完成度が高いからまったく同じとはいかないが、ライブでも充分演奏のグルーヴ感は伝わってくる。
この日HAKUEIの喉が本調子でなかったのが残念だ。
アルバム「赫赫」の曲を中心に、過去の音源から「クーデタークラブ」や「NEW FUTURE」、「DEAD OR ALIVE」、アンコールでは「DESIRE」なども演奏された。
とにかくヘドバンしてもよし、タテノリに飛ぶのにも合う、HAKUEIの美貌に見惚れるもよし、楽しめるライブだ。
後ろからステージと客席を見ながら、もっと汗だくになるまで踊ったらいいのに、と思った。


意外にMCが面白かったのも収穫。
弁のたつ千聖はもちろんのこと、クールに見えるHAKUEIもけっこう喋る。おとなしそうなGISHOもしっかりオチをつける。
これは音が関西人の私にとってポイントが高い。
他のメンバーが喋っているときにぼうーっとして浮遊しながら、盛り上がったところの拍手だけは真顔でぱちぱちぱち、とちゃんと参加するHAKUEIの姿がツボであった。
とにかく人目を惹く人だ。ボーカルとして充分である。



多少(かなり)遅れを取ったものの、PENICILLINの音楽を知れたことが幸いだった。
最盛期に比べると今はやるハコも小さく動員も比べ物にならないだろうが、歪むことなく活動を続けていってもらいたい。
私もライブに通います。