キャシャーン

GW最終日に行ってきました梅田ピカデリー。思いのほか混んでいてびっくり。満員御礼な感じで。それはGWのせいなのかキャシャーンの話題性なのか不明。たぶん前者かと。あの中にはきっと、昔アニメであったやつなんだってね、ヤッターマンみたいなヒーローものかな、宇多田ヒカルの旦那が撮ったらしいからちょっと観てみるか、とか軽ーい気持ちで観に来た人がたくさん居ただろうに大丈夫だったんでしょうか。目が点になったのかな。私はわりとああいう深刻で暗くて分かりづらい感じじゃないかなーというのを想像(期待)して行ったので全然オッケーでした。だってただのヒーローもんなんか見たくもない。だからスパイダーマンとかスーパーマンとかを見る気になれない(いや実は深い内容なのかもしれませんが。なんせ未見)。重いのも暗いのもドンと来いです。上等。

以下ネタバレ。





好きなところ。戦争を目の当たりにした鉄也が狂ったように「おまえは戦争をわかってないおまえは戦争をわかってない」って出兵の前に嫌いな父親から言われたセリフを唱えてるところ。その通りだと噛み締めていたのか、それとも反目していた父の言葉を思い出すことで自分を奮い立たせようとしていたのか。どっちにしろつらい。やるせない、迸る感情の爆発、表現がうまいと思った。って、本筋と全然関係ないや。
あと上月ルナ(麻生久美子)がほんっとーに美人だった。スタイル良かったし、衣装がまた可愛かった。あの編み上げのブーツ!ヒラヒラした服!アクボーン(宮迫博之)じゃないけどほわわわーんと見惚れてました。新造人間たちがセントラルドグマ(違う)を逃げ出して雪山をさまよってるとことか素晴らしかった。城に着いてブライ(唐沢寿明)が舞台演劇調で演説を始めたときは急すぎて、え、え?ってなったけどそっからあとは気にならなかったし。キャシャーンよりはよほど迫力あった。バラシンのキャナメも頑張ってたかな。さすがアギト(笑)。それにしてもミッチーはまり役。街中に大滝ひでじ将軍の顔があるのはこわいですー夢に見そうですー、初めの華麗な都市風景がひでじのためにぶぶっと吹き出しそうになった。肝心のキャシャーン鉄也は、芸能界モテモテ王の伊勢谷くんの顔初めてはっきり認識できた。はー、こんな顔だったっけ?黄泉がえりの俊介でも見てるのに何か違うような…。

気になったとこも一応メモしとくと。

  • あの稲妻は結局何だったのか。
  • 原因不明とはいえせっかくつくれた新造人間をすぐさま殺してた!いやあれを頑張ってつくってたんでしょーが?たぶんミッチーは怖かったんだろうと思うけど…。人間は人間でないものには恐怖し憎悪し排除する。
  • あの城は何。んな便利な!
  • 最後に出てきた新造人間側の巨大ロボの意義って…
  • キャシャーンがその巨大ロボの時計に取りすがってたけど、あれは爆発を止めようとしていたって解釈で良いの?
  • 最後に生き返ったルナは自殺する鉄也が見た心象イメージなのか?それともいつのまにかルナも新造人間になってたとか?んなわけない。
  • 新造人間は超人的な肉体や能力やを持ってるわけではなかったんだね。根本的知識不足。
  • GLAYTAKUROとHISASHIは、老医師のとこにそいつはスパイかもしれない!と踏み込んできた若者、で良いのでしょうか?

で、ストーリーに戻ると。最後のドンデン返しで誰も彼もが戦う大義名分を失うわけなんですが、「生きるということは人を傷つけるということ」「初めに許し合わなきゃいけなかったんだ」っていう説明セリフはちょっとくさかったですが、そのバックに流れる人間だった頃のブライたちの生活の映像の方だけで涙が。うまく言えないけど、終わらせるにはみんな死ぬしかない、分かり合えない、譲り合えない、人間の性。最後号泣でした。嗚咽を堪える。やっぱり友人と観に行った三人のうちそこまで泣いてるのは私ひとりだったのでおかしいかな私、と心配になる。「憎しみとは人間なり」。鉄也が撃ったのがブライの奥さん(鶴田真由)だったりしたのは本当やだなあもうーと思った。

あんまり良かったんでその足でキャシャーン公式CD買いにいきましたよ。ホテビのサントラも買ってないくせに。あのダッダダーンチャラララ、って予告CMとかでよく流れてる曲が上映前に館内で流れてたんですけど、歌詞があって、しかも日本語の。しかもベタなアニソンぽい感じで。キャシャーンがどうこう、って歌ってるように聞こえたんですよね。それがもう気になって気になってしょーがなくってアルバム買いました。8曲目、THE BACK BORNの「レクイエム」という曲がそれです。実際は「華奢なヒーロー」とか「華奢な心臓」とかちょっとひっかけた歌詞だったわけですが。気が済んだ。まだディスク1しか聞けてないんですけどインストがお気に入りです。格好良い。
というふうに存分に楽しんだので、レディースデイ1000円のもとは充分に取った気がする。帰って来てネットでふらふら感想読んだりして、あららけっこう酷評だわーと。まあ好き嫌いの傾向は分かれますよね。紀里谷監督の好き嫌いもね。メイキング見て、完成披露試写が終わったあと一人残って泣いちゃってる映像に、熱いなーこのひと、とかちょっと可愛く思えたり。CG系の映画にしては低予算で、マスコミ・広告業界・PV界その他色々な方面からやいやい言われて、たいへんそうだなあと思います。まあ旦那にするかっつったら別問題ですけど。あんなアーティスト肌の旦那なんかやだよ!(笑)映画自体は全然ちゃんとしたストーリーあったし情熱もあったし私は面白かったですよ!音楽良かったし、映像も全編同じトーンで統一されてましたし。もう一回くらい見たい感じです。ただしテレビでゆっくり。巻き戻したりしながら。

次ぎは下妻物語世界の中心で、愛をさけぶ、かなあ。下妻物語は可愛いロリータ深キョンを眺めるためだけに一人で行くの決定。あれに女友達は連れていけんわ。世界の中心で、愛をさけぶ森山未來目当て)、はわりと一般ぽいかとは思うんですが。邦画好きなんです。選択がいちいちミーハー・もしくはオタクっぽいのは自覚の上。それでもワンピとかコナンとかは観てないんで許してください。