ハウルの動く城

やっと観てきましたー。
ネタバレですのでご注意を。あと、かなりミーハー気味ですのでご注意を。







とりあえず、最後のセリフまでが「うるっさいなあ、なんだよう」的な言葉だった我が侭っこハウルが今までの宮崎映画のヒーローとは違ってて、萌え!でした。
パズーもアシタカもハクも、みんないい子ちゃんだったからさ。そういう意味ではハウルもいいとこの坊ちゃんぽくはあったんだけど、ナルシストぶりが描かれてたようにもっと酷い我が侭っ子にしても良かったと思います。獣人になりかかってるときも、もっと醜い・おぞましい姿でも良かったと思うし。
それにしても、作中のオバチャンはみんなハウルが好き好き・ハウルに夢中!で笑っちゃった。サリマンとか子供時代のハウルを真似ておとこのこつくってそばに置いてるんでしょ?

ナンパからソフィーを助けるとことか、半ケツとか、鳥人間設定とか、ハウ様すてきすぎる………でも足りない!ぜんっぜん足りないです!せっかくあんなイイ素材なのにもったいなーい、と思いつつ帰ってきました。世界観とかに裂く時間を削ったならせめて、もうちょっとソフィーとの触合いの描写とか欲しかったなあ。きれいな野原で洗濯物を干す場面とか、笑いが溢れていてとてもすてきで、マルクルやカカシやカルシファーや、お城の住人とソフィーが馴染んで一体化していくのはよくわかったんだけど、あの幸福な場所にハウルは居ないんだもの。どうしてハウルがソフィーを見初めたのかが足りない。ハウルの二次創作サイトがたくさんあるのも頷けます、うんうん。
ちょこっとこちらで補完できたりしますよ。
ハウルの動く城WEBアンソロジーhttp://eki.to/howl/comic/main/



帰ってきてしたことはといえば、「ハウル かっこいい」「ハウル 萌え」でぐぐって同志を探したことくらいです(笑)。4万ヒットもいるよわーいわーい。あとはサーパラで、これから二次創作のサイトさんでも読みにいってきまっす。



  • ソフィーについて。

前半はおばあさんになったとたんの図々しさにウーンとなってたんですけど、後半にいくにつれだんだん面白くなってきて、私はやっぱり「きれいで(ここ重要)」肝がすわってて毅然とした女の子が好きなんだなあと、そんな自分にがっかりです。呪いが解けたか解けてないか曖昧なときにもソフィーの外見は若く戻ったりおばあちゃんになったりで、魔法よりも何よりも女の子の気持ちというのは厄介なもんだと思ったです。「自分は美しくない」と思ってる、だから外見がおばあさんになったとたんに大胆になっちゃう、その過程を抜けてソフィーが「ハウルが好き!」と言いきれるまでのお話、こう書くと物凄い恋愛ものみたいだ。



  • 呪いはいつ解けたのか?について。

Q&Aまとめサイトhttp://ahoeiga01.hp.infoseek.co.jp/hawl/)でも諸説ありますが、私が支持するのは、「サリマンに荒地の魔女の魔力が奪われたとき」。
魔法をかけた本人が死ねば解ける、というのはファンタジーの基本ですが、この場合能力が消えただけなので完全にすぐには解けなくって、でもソフィーがその気になれば破れるくらいには弱くなってる状態。その後もソフィーの姿がおばあちゃんのままなのは、ソフィー自身にわだかまりが残ってるから、という感じなのが私的には一番納得のいく・好みの解釈です。そっちのが、「カルシファーハウルの契約を見破ったから解けた、それまで姿が戻ったりしていたのは、単なる映像的な表現」というよりも好みなだけなんです。まあどっちでもいいです、この世界観の魔法ってなんかけっこう適当なんですもん(笑)。


それよりも、城の中核がソフィーのいた帽子屋に引越したあと、訪ねて来たお母さんのシーンの方が全然納得いきませんでした。家族がどうしてたかとか、真ん中ずっぽり抜けてますよね…?ほんと、時間の尺がなかったんだろうと思いました。それにしても唐突すぎる。たぶん、母と妹はそっくり・妹は器量良しでモテモテ・訪ねてきた母の薄情ぶり、から考えるに、シンデレラ的な家庭背景が原作では少しはあるんでしょうね。卑屈になるだけの環境というか。そっちにもスポットを当てちゃうと、いつか王子様がーみたいな話になっちゃうからこれで正解だった気もしてきました。




扉を抜けて、子ども時代カルシファーと契約したときのハウルに出会うシーンは好きでした。あのシーンがあったから、なんだかハウルが愛おしい存在に思えて二人の最後のキスシーンも微笑ましく見れた気がする。


とにかく、「強大な力の前に心をなくしかけている美青年を、愛の力で救う」みたいな、少女漫画風冒険物語が好きな人には楽しめる作品です。鑑賞中ずうっと、私は「彼方から/ひかわきょうこ著」を思い出してました。あっちの方が、イザークとノリコが一緒にいる必然性というか因縁がはっきりしているので感動できると思う。5〜7巻あたりなんて私大好きです。



彼方から (6) (花とゆめCOMICS)

彼方から (6) (花とゆめCOMICS)

「彼方から」あらすじ:
高校生・立木典子(ノリコ)は下校途中爆弾事件に巻き込まれそれをきっかけに
たびたび夢に見ていた異世界へと飛ばされる。
そこで化け物に襲われた彼女はイザークという渡りの戦士に助けられ、
一緒に旅をすることになる。
実はイザークは、破壊の化け物「天上鬼」を目覚めさせる「目覚め」を消すために
ノリコが現れた場所へ赴いていたのだが、
自分を天上鬼と変える運命のノリコを殺せず共に行動するようになる………。


というわけでハウル、まだな人は気楽な気持ちで観に行ってみてくださーい。安心して、木村さんの声はとってもすてきですよ★(笑)