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甘い生活 (アイスノベルズ)

甘い生活 (アイスノベルズ)

好きなクラスメイトに頼まれ、家庭教師のバイトを始めたゲイの大学生・清隆の生徒は、不登校の小学4年生の子供だった。本を読む以外に反応を示さない文和に、とうとう清隆は切れて、欲望のままに押し倒してしまう…。―少年と青年の微妙な心の関係を描いた「甘い生活」。高校生に成長した文和が恋に悩む姿をつづった「口唇エレジー」。そして、二人のその後を描いた書き下ろし「太陽がいっぱい」等3本を収録。

情緒に欠けてるけど純粋で一途。そういう人間を描くのがうまいなあ。あと、どうしようもなく自分勝手で情けなくて弱い、ある意味普通(より悪いか)のひとを容赦なく登場させるとこもBLっぽくない。そんで、きれいな思いやりよりもそれぞれ勝手に気持ちをぶつけ合って、結果的には二人ともが救われる、という…。あとがきに「手に入れたものはひょっとしたらクズかもしれないけど、まあ自分が宝物だと思っていればそれでいい」と斬って捨ててあってうぐう、と唸った。
1章目はほんとに最悪ですヨ。世の中のおさなごに手を出す幼児偏愛者はこういう心理なんだろうかと身震いするくらい。しかもそのまま改心することもなく、最後まで読んでもなかなか壮絶。喜多川(@箱の中・檻の外)のときもそうだったけど、結局最後に笑ってられるのは強くただひたすらに自分の思いを信じられる者なんだなあ。
で、ちっとも甘くないですから!!

「清隆は、ずるいかもしれない」
「そうだろ、だったら…」
「でも、弱い」
開け放した廊下の窓から風が吹いて、文和の前髪が揺れた。
「清隆は弱い。だけど俺は、守ることができる」



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