ラストキング・オブ・スコットランド@お台場メディアージュ

ウガンダの独裁者で30万人を殺し「人食い大統領」と呼ばれたイディ・アミンの半生をスコットランド人医師の目を通して描いた作品。アミンを演じたフォレスト・ウィテカーアカデミー賞で主演男優賞を受賞、というわけで、「デジャヴ」と迷った末こっちを観に。前知識とかまったくなくして行ったんですけど、わかりやすくつくってあって戸惑うことは少なかった。アミンの演説での人を惹きつける豪快な魅力、そして誰も信じられず邪魔者を排除していく残忍さ、その二面性が違和感なく発揮されていてすごい。こわい、けど、にんげんだなあって思った。語り手の主治医になる若造はある意味自業自得としか……。終盤で唐突に呪術的というかオドロオドロしい展開になってきて、あまりのインパクトに思い返すとそのシーンしか出てこないや。初めにお世話になる人妻サラの目線がいちばんまともだったかなー。ウガンダなのになんでスコットランドの最後の王?とタイトルは気になったので調べたら、ウガンダと英国、スコットランドイングランド、を対比させてのことだったらしい。わたしって何も知らないなー。重厚な映画だった。主人公が最後に思い出す、車窓から見た手を振る子どもたちの映像がいちばんぐっときた。好きな国なのに、もっと良く在ることもできるはずなのに、どうしようもない黒い憎悪に覆われていて、自分は無力で、よそ者だ。遊び半分で首を突っ込んだ自覚もある。そういう体験をして知ってしまったこの者と何も知らないままの者と、どっちがマシだろう。