あらしのよるに@テレビ放送

あらしのよるに スタンダード・エディション [DVD] あらしのよるに スペシャル・エディション [DVD]

生まれながらにして決められているふたつの枠を飛び出したオオカミとヤギの友情(というか愛情?BL?)を描いたお話し。食べるものと食べられるもの、白人と黒人、異性愛と同性愛、上流と下流、男と女、いろんな二元論に通じる物語かなあと思う。「なんでおいら、狼なんかに生まれてきちまったんだよお!」というガブの葛藤がせつない。泣くなよがぶ〜と思わずオイオイする。「わたしに隠れて毎晩何匹殺して食べてるんですか」と逃避行の途中でメイが思わずなじってしまうシーンもやるせなかったなあ。
映画は、絵本とは違ってハッピーエンド。しかし二人で何もかも捨てて遠い世界でずっと一緒、ってのは美しいかもしれないがほんとうの解決ではないのかもーと思ってしまって汚い大人としてはちょっと物足りない。そんなすぐに心中って!子どもに読ませていいのかどうか悩む。でも、二人の仲をありえないと決めつけ弾劾する狼仲間・ヤギ仲間・森の仲間(つまり世間)がいつでもぜんぶ正しいわけじゃない、その森を出て高い場所から俯瞰すれば別の世界も見えてくるし、世の中にはいろんな価値観があるんだ、ということがわかるという意味ではやっぱりいいお話しなのかも。うーん、映像だと、どことなくいやな悪趣味なかんじが漂うのはなんでなんだろう。モヤモヤ。オオカミたちはしつこく二人を追ってくるけど、一方のヤギたちは安全な丘の上から「メーイ!」と叫んだだけできっともう忘れて暮らしてるんだろう。善人のほうがそういうとここわい。
メイの声がなりみやくんなのは狙いすぎっす(笑)ぷりっぷりのお尻(いやもちろんヤギのね)を後ろから録ったアングルはどーしようかと。ぶあはっ!と噴き出したよ。