DEADLOCK(原作:英田サキ、イラスト:高階佑)

DEADLOCK

DEADLOCK

http://d.hatena.ne.jp/noraneko244/20080715#1216111315のドラマCD。買っちゃいました(*゜v゜)
長い。長いよ。70分超のディスクが2枚。そりゃ覚悟してたけどね、刑務所でのかなり細かい状況設定やミッキーたちとの会話なんかを限界まではしょってるにもかかわらずこの長さ。小説のCD化ってたいへんだなあ…。そのぶんたっぷりゆうきゃんのナレーション声を聴くことができたのは満足。中村声が足りないときはこのCDをかけよう。聞きやすく、はっきりした発音。日本語、英語、スペイン語をいかにも話しそうなオリエンタルな声。モノローグとセリフで声の張りと強弱を変えてくるので心情もわかりやすいし。ちょっとした箇所の言い方(怒るとこ、拗ねるとこ、呆れるとこ)が超うまかったり、ツボ入ったりでたいへん。

好きな箇所列挙ー。気持ち悪いほど長いので注意。





<DISC 1>

  • 初日に受けたリンチのあたりからぐぐっと物語に引き込まれます。殴られ吐息も抜群だし、そのあと荒い息で「俺は何もやってないっ」と訴えるところできかん坊なユウト・レニックスが色濃く出ていてにやり。感情を荒げて怒鳴るときの声が、自分にとって嫌味がなく聞きやすいってのは重要なポイント。CDのユウトは頻繁に「くそっ」と言うので原作よりちょとガラが悪いようです(笑)
  • ミッキーにくだけて対応するディックはいいかんじ。そんなディックを見て、「なんで俺にだけ冷たいんだろう。俺は嫌われてるのか…?」と悄然とするユウトがかわいい。
  • トーニャに絡む囚人を軽くいなすシーン。ちゃんとユウトがかっこよくって感動。やられっぱなしじゃなくってこういう活躍がもっとあるとよかったなあ。どう見ても経験や洞察力ではディックやコルブスに負けてる……あんまり賢くなられても違う関係になっちゃいそうだからこれでいいのか。ますます殺伐としちゃうもんね。
  • BLCDはやっぱ主役の二人が二人で喋るシーンがいっぱいあったほうがノッてくるねー(だから2作目3作目のドラマCDには二の足を踏んでるの…)。トーニャの部屋からの帰りの会話でほっこり。ツンツンなユウトがかわいい…(また)。「お前のナニを根本からへし折って、二度と使えないようにしてやるっ」はもっと迫力込めて大げさにやってもよかったかも、これでディックが初めて吹き出すんだから大事なセリフだよね。
  • ゲーレンの事件のあと。「だったらおまえが行けよっ!!」と怒鳴るディックの迫力はすごかったなー。まあ八つ当たりなわけですけどw 耳がビクってなった。この激しさをディックは任務のために抑えつけてるんだと思うとせつない。
  • ヒゲを剃ってからのことを「ユウトはどうだ?」と聞かれて、「なにが?」「そんなの俺の知ったこっちゃない」と応えるときの澄ました感じがすごく好き。ユウトかわ(もういい
  • 八つ当たりを謝る牢獄のシーン。あーユウトとディックが近づいてきたー、としみじみわかるシーン。からかったあと手を握ったりして若干恥ずかしい。日本の桜を思い出すシーンの少し明るい、弾んだ声もすてきだ。
  • ベルナルへの復讐はちょっと迫力不足。SEがいいのないのかなー。
  • ユウト、懲罰房行き。原作にはない「おそろしく寒い……」が真に迫っていてユウトの落ち込みが伝わってきた。声優さんすごい。ディックからの手紙のくだりはもっとじっくり聞きたかったなー。これでユウトはかなりディックを好きになったでしょ!重要! ネトとの交流も駆け足になってきた。三宅さん、包容力のあるいい声。
  • 懲罰房から出るとこでDISC1終了。「今からおまえを一般の監房に戻す」

<DISC 2>

  • 懲罰房を出たあと「頭が痛い……」のナレーションのとこの吐息が〜〜!ハアハア。そっかー、ツンとしてる子がたまに弱ったとこを見せてくれるとそれだけでころっといっちゃうんだな。これはディックもやられるわけですよ。
  • 口移しで看病してくれるディック。飲ませる音は少なめで、ユウトのナレだけで充分色っぽく仕上がってました。官能的な読み。気合い入ってんな〜とうっとり聞き入る。最初の頃のディックの冷たい態度を、「俺のどこか不快だった?気に障るようなことをしただろうか」と遂に疑問をぶつけたユウトの必死で弱気な声にキュンとなる。
  • 快復したとたんに素っ気なく戻った(実際はネトに嫉妬して不機嫌になった)ディックに、「ひょっとしてこいつ、弱ってる相手だったら誰にでも優しいのか?」って!それいったいなんて性癖?お世話病?ユウトにぶい!爆笑
  • 「ネイサンのところに寄っていく」「じゃな!」って、じゃな!の言い方がつめたーい。ツンー。
  • ネイサンの「望まない環境で自分らしく生きるのは難しい」もさりげなくだけど気持ちがこもっててさすがです。
  • レイプシーン。「はめられた。グルだったんだ」ってとこのユウトが軽い…何されるかあんま実感できてなかったのかなー。さすがに弄れなかったのか「  」付のセリフはほとんど削られてない。ねちねちいってる音がやけに…。
  • 目覚めたユウトとディック@医務室。気丈に振る舞うユウトの表現が見事。「(復讐に)他人の手を借りるなんて我慢ならないっ」「負けるわけにはいかないんだ…」、原作でも好きだったけど、ゆうきゃんに言ってもらうともっと好きなセリフになった。殺された恋人の復讐のために生きているディックは、このユウトのあり方を聞いてガツーンと胸打たれたはずだよ。実力はさほどでもないけど(こらw)、心根だけはまっすぐで強くあろうとするユウトを愛しく思ったと思う。
  • 訪ねてきたトーニャとのことをからかわれて。「なに言ってるんだ、ばか!」の言い方が〜〜〜(*´д`*) CDオリジナル台詞の「反論しろよ、まったくもう」もよかったっす。「まったくもう」!!
  • シャーワー室での世話焼きディックとむくれユウト。「お前は俺のママかよ」が抜群にハマってる言い方で悶える。くー。さすがに合ってるなあ。
  • バッドトリップはユウトの苦しそうな演技と効果音でよく表現されてた。うまい。
  • しかし私が好きな、「ディック、俺は駄目だ……。もう駄目だ……これ以上」ってセリフはカット。゚(゚´へ`*゚)゚。 その前後の、「俺は怖かったんだ、臆病な人間だ」ってユウトの告白と、「それでおまえの価値が下がるわけじゃない」「気付いてやれなくて悪かった」ってディックの言葉も好きだったのにー! ソウイウ場面のセリフははしょらないでほしい…いや限界あるのわかるけど(;へ;*)
  • 初めて聞くユウトの本格的な喘ぎ。た、高い……達したあとの声も細くなってる。うーん、受演技を低い声のままやるってのは難しいんだなあ。ねちねちの効果音がレイプんときよりも少ないのはなんで?(笑) シャワー音に被せて聞きづらいだけ?
  • 「欲しい…と思った」ってモノローグの言い方がめちゃくちゃ好きなんですけど!!
  • プロの演者さんだから大丈夫だとはわかってても、そのあとに続く「ディックのキスが欲しくてたまらない…」とか、このへんの台詞は恥ずかしかっただろうなあ…しかも相手は仲良しの安元さんだし。「達、した」とかちょとつかえてるし? 本当にすいませんありがとうございます、という気分。うはは。
  • なんだかんだ言いつつこのシーンはやっぱり楽しいです。王道ですけどねー。ディックの声が死ぬほどやさしいよ。こんときのディックがどういう心情だったのか読んでみたいわ!反応してるし、声優しいけど内心ばくばくだったのかなーとか。想像するとにやにやする。
  • BBに偶然会って怯えるユウト。声がよれて、情けなくへしゃげて、すごいよく恐怖感が出てる。かっこわるいとこをちゃんとかっこ悪くできるってのはいい!
  • ネイサンと3人で対峙。ネイサンの口調に、三木さんがちゃんとクセ付けをしてて、語尾が統一されててすごい。本性を現して焦ってるディックもいいね!
  • 暴動が起き立て篭もり。すべての事情を聞かされ、「マヌケもいいところじゃないか!」と憤るユウトがかわいい。ほんと、おつかれさま…w
  • 濡れ場に入る前。急に歌入りのBGMがww でも入り方はすごくスムーズでした。「ディックは何も言ってくれなかった。沈黙がくるしい……」ってユウトのせつなげな声にまた悶える。こーいうのがあるからBLCDっていいよね!! 原作での「自分の何かが彼のスイッチを押したのだ」ってとこが好きだったから、それがないのは残念;; なんかディックが急にその気になったみたいに聞こえる。
  • きっかけになるキス、「躊躇いがちに鼻筋に口付けた」わりには音がすんっごいんですけどー!どうゆうこと?!ちゅ、ちゅばっ、じゅぷ、とか鳴ってる(*´∀`*)どんなけしてんだ!
  • ユウト、喘ぎ、超うまいんですけど!特に入れられるときの息詰めるかんじがよくでてる。べらべら喋ってるから(笑)シャワー室よりは普段の中低音が出てるけどまだ足りない。でもさりげに天然で誘い上手なユウトならあんなふうに激変するのかもしんないねー。普段のツンと澄ましてるのと行為のときの甘えっぷりのギャップがいいってディックも言ってたしな!
  • 二回戦wの、「俺だけなんて嫌だっ」てとこできかん気のユウトの声が戻ってきてほっとした。続けての「お前も一緒に感じて……」が、舌を出したまま喋ったふうにちょっと舌ったらずになってて、興奮してだめんなってるさまを表現してて好き。かわいい。
  • 「腰、動かしたほうが、きもちいいだろ?」ってどこのびっちですかw やっぱり原作にない台詞だとちょっとキャラがぶれる?面白いからいいけどー。「へいきだ…」「したいんだ……」は死ぬほど色っぽい吐息声で心臓が止まるかと。買ってよかったなあ(*´v`*)
  • そして攻のディックもうまい。安元さんは普段のセリフはそれほどでもないけど、このへんの吐息の調節がいいと思った。攻が喘ぎすぎるとうざいし無言でも伝わってこないもんねw あんばいがだいじ! 「お前をめちゃくちゃに乱してやりたいよ」ってとこの言い方がちょっとこわめで、憎憎しげで萌えた。ディックとしてそれは正しいと思。達したあとの吐息が混ざるとこも奇跡の重なり具合でした……狙ってやったんかなーすごいなー。
  • それにしてもやっぱりレイプシーンより濡れ効果音が少ないのはなんでだよー!やっぱヒかれるからか。いっそのこともっとリアルな感じに音を入れていいと思う、よ。腰を振る効果音がないのか?w BL効果音職人とかいないのか。
  • まだまだ言いたいことがあるんですが(まだあるのか!)、こんなにも長い感想でいい加減きもちわるいのでそろそろやめときますw
  • エピローグ。飛行機の中の夢で見た、ディックの穏やかに呼ぶ声とユウトの嬉しそうに応える弾んだ声。最後にふわっと心をあたためてくれる。ユウトがんばってこーい!と思いつつ視聴終了。
  • そういえばタイトルコールみたいのがなかったな。冒頭で、テーマ曲でも流れるともっと盛り上がるんだけど、BLCDでそこまではできないっか。
  • 相対的に、とても完成度の高いCDでした。原作の色んな部分を削った分、なんか逆にディックの気持ちや行動が近くに感じれて、理解しやすかった気がする。ゆうきゃんの本格的な受演技も聞けたし、まだまだうまくなりそうだし、だ い ま ん ぞ く ! ありがとうございましたー!

<キャスト>
ユウト・レニックス:中村悠一、ディック・バーンフォード:安元洋貴
ネイサン・クラーク:三木眞一郎、ミッキー:伊藤健太郎、ネト:三宅健太、トーニャ:鈴木千尋
BB:小原雅一、マシュー:岡本信彦、ガスリー:陶山章央、リンジー保村真、他


Script:野中幸人、Director:出田美穂、
Mixer:中野陽子、Music:F-TONE、Sound Effect:サウンドボックス、Design:千葉聖子、Casting:高橋正彦、
Producer:是安浩二、Assistant:牛黒希美


SPECIAL THANKS:徳間書店Chara編集部、アーツビジョン、81プロデュース、シグマセブン
録音編集スタジオ:スタジオインスパイア
企画制作販売:インターコミュニケーションズ


ブックレットの「Quirk of fate 〜運命のいたずら〜」は、刑務所でまだディックがユウトを監視していた頃のある日の二人の会話を描いた、ディック視点のショート。ディックの気持ちがよくわかる。まだ、ユウトが気になってはいるものの、FBIに邪魔はさせない、行く手を阻むなら敵とみなす、と思っている。もっとディック視点を読んでみたいです。

 不意にユウトは背伸びをする両腕を頭上に突きだした。しなやかな肢体を持つ美しい猫が、優雅にくつろいでいるようだ。
 こいつは囚人たちを挑発しているのかと腹立たしく思ったが、そう感じるのは自分にやましい心があるからだと気づき、喉まで出かかった非難の言葉をどうにか呑み込んだ。
 ディックはそばにあったシャツを拾い上げ、さり気なくユウトの胸に落とした。
「ここはヌーディスト・ビーチじゃないぞ」
 ユウトは薄目を開け、微笑みを浮かべた。
「なんだよ。目のやり場に困るのか?」


●DEADLOCKキャストインタビュー
●DEADHEAT試聴・インタビュー・収録レポ ←試聴で一番いいシーンがw
ついでに、●言葉なんていらない試聴・インタビュー・収録レポ。下野くんの兄弟編成がすごい。なるほどなー。