プリンスチャーミング 全3巻/高井戸あけみ

教師1人+生徒3人の四角関係(もしかしたらもう1人教師入れて五角関係?)。片思いの連鎖気味なのでちょっとハチクロ風味です。永井→湯浅→朝比奈→加賀見。朝比奈先生のキャラがツンデレで男らしいので読みやすい。「ガキだけどおまえらのほうがよっぽど自分をわかってる」っつー先生のセリフに好感度跳ね上がりました。どこがどう引っつくか読めなくてハラハラできそうです。先生が加賀見にトキメいたっぽいとこで、えええそこお?!となりましたもんね。




というわけで2巻。せ、先生…3Pって思いきり過ぎです…。この構図だとどうしても永井を応援したくなっちゃうよなー。湯浅も先生もわりとあっさりというか気持ちのいい性格なんで、そんなにはこじれないでいられるのかもしれない。っていうか、まさしく元凶は湯浅の判断と受攻どっちもイケるとこだと思うなー。あ、もう1人の真面目な先生は混じりませんでした、小森先生ごめん。色々あって混迷を極めてまいりました四角関係。どうなるんだー!




最終巻。朝比奈先生、とうとう加賀見ともヤっちゃいました。けど本命は湯浅みたい。このあたりのドライさというか身内であれこれあっても流してしまえるのが男子同士って感じがしてドライ&クールです。そうか、高井戸先生はちゃんと王道でくっつくタイプだった。元サヤにそう簡単に収まらないのは宮野先生と鳥人先生だった。永井も加賀見も大健闘だったし真剣だったし、ちゃんとキャラが立ってて、厭らしさがない、ゆえに叶わない思いがあるのは余計せつないですけどね。加賀見のようなキャラは目覚めが遅いと損を被るのは必然だと思うし。全員が好ましい人柄で、自分の気持ちが分からなくてふらっとなっちゃう部分とか、迷いとか、すごくうまく描かれてたと思います。4人で先生のマンションに入り浸ってる場面が本当に楽しそうで微笑ましくなった。そのうえ、世話をやいてる湯浅と何だかんだで仲良く一緒にいる朝比奈が可愛らしいし。だからこの結末でよかったなあ!面白かった!

「それから? 次の質問」
「…したくない」
「してみろ」
「しない」
「おまえの方が好きだ」
「うそ…」
「うそ」
「………」
「バカ」「知ってると思ってた」
「は?」
「あいつは知ってるぞ」
「え…」
「なぜ知らない やっぱりバカだなおまえ この前のテストも32点だった」
「うるせーよっ あんたうちでもだいたいそんな表現力じゃん 愛情くさいもん感じたこと俺はないぞっ」
「もう数ヶ月同居してる 追い出しもせず」
「何その どうだー みたいな顔」

あ、2巻で消えたと思った真面目な小森先生が復活してきたのは笑いました。