アナザー・ワールド 王国その4/よしもとばなな ★★★★

視力の弱い占い師のパパ、薬草茶作りの達人のママ、そしてパパを愛するパパ2…。3人の親の愛を一身に浴びて育った片岡ノニは、恋人のサラと終わった直後、陽光降るミコノス島で運命の出会いをした。その相手は、“猫の王国の女王様”と死に別れた哀しみの家来・キノだった。

王国1・2・3の感想→ http://d.hatena.ne.jp/noraneko244/20060212#1139748953http://d.hatena.ne.jp/noraneko244/20060217#1140182963http://d.hatena.ne.jp/noraneko244/20060121#1137851489
王国シリーズの完結編。予告通り、世代が進んで雫石と楓の娘(戸籍上は片岡さんの娘)ノニ視点。入り込むまでにちょっと時間かかったけど、中盤を過ぎたらもうすっかりばななワールドで、書いてあることがわかりすぎて涙が零れた。どうやら一周回って、また私にもばななの言うことがわかるようになってきたみたい(笑)。そのへんの読解力・共感のふり幅が読んでる時の気分や立ち位置で激しく違うんだよなー。基本考え方が近いんだろうとは思うけど。ノニが失恋したあとの相手と会う真っ暗な感じも真に迫っていた。ちゃんとみじめに描写してあるし。楓と雫石がどういう気持ちで片岡を裏切ってまで子どもをつくったのか、そのへんはうまく省いて書いてあって、ちょっと物足りなかったかも。でも、ノニが子どもをつくろうね、と口にするくだりでそのメカニズムが説明されているのでそこで理解しとけばいいのか。
それにしても口の悪いパパ2、片岡さんが好きすぎる!最後のほうで出てきてくれて、もうだいすき!ってなった。いいないいなーこんなパパ…欲し…いや冷静に考えると欲しくないか。

年始から立て続けに良い本を2冊も読んでしまったー。次は麻生龍太郎を読みます。