どんぐり姉妹/よしもとばなな ★★

姉の名はどん子、妹の名はぐり子。突然の事故で奪われた、大好きだった両親の笑顔。気むずかしいおじいさんの世話をしながら、学んだ大切なこと。苦しい時間を姉妹は手をとりあって、生きてきた。とめどなく広がる人生で、自分を見失わないように。気持ちが少し楽になる居場所、それが「どんぐり姉妹」。「私たちはサイトの中にしか、存在しない姉妹です。私たちにいつでもメールをください。時間はかかっても、お返事をします。」―メールは祈りをのせて。ネットが癒やす物語。

あらすじを読んだときは、面白そうじゃんーと思ったけど、ちょっと緩すぎた印象。どんぐり姉妹のサイトでどんなふうに人と関わって…という部分が読みたかったけど、結局はぐり子が初恋の男の子の死との接点になっただけで、弱かった気がします。決着も、ぐり子の心が前に進んだのはわかったけど、現実の事象はあまり進んでいなくて若干不完全燃焼。ネットやメール絡みの話なら、もっと突き詰めて読みたかった。もう少し練ってほしいです。