王妃の館(上)/浅田次郎

取引先に出入りしているハンサムなメーカーの営業男性と、暇なときにお喋りをしていたら「あ、本読むんだ?」っていうのがお互いの認識で出てきまして。「どういう作家が好き?」って聞かれたから、「ええと、最近横山秀夫読み始めたくらいで。あ、石田衣良は全部読みました」「ふーん、石田衣良だったら何が好きなの?」「うううん、『うつくしい子ども』とか『4TEEN』とかかなあ。お勧めの作家さんとかいますか」「そういうの好きなら…浅田次郎とかどう?読んだことある?」、という会話を経て、「俺、いま文庫持ってるよ」とこの本を渡されました。「わあ、貸してくれるんですか?ああでも、次ぎいつ会うか…いつ返せるかわかんない…」「いーよ、あげるよ」「ありがとうございます!」。頂いてしまいました。/浅田次郎初読みなんですが、なかなかおもしろい。途中からルイ14世のちょっといい話になってびっくりしましたけども(笑)。またその話がいいんです。孤独な王と、彼に7年間の伝説のレシピで食事を出し続けたシェフ。それぞれの家族や愛が加わって、ほろりとします。「食」は人生になくてはならないもの、生きることそのものだ。/上巻だけなんで早く下巻が読みたいです。/★★★