エヴァが目ざめるとき

エヴァが目ざめるとき

地上百数十階の都市に人々がひしめき野生動物のほとんどが絶滅した近未来。人々は息の詰まりそうな大都会の中でシェーパーという立体テレビばかりを見て暮らしている。チンパンジーを保護・研究する学者であるパパとでかけ事故にあったとき、エヴァは十三歳の黒く長い髪と青い目の女の子だった。だが二百日を越える昏睡からようやく目ざめたとき、エヴァが鏡のなかに見たものは…。
人類衰亡の時代に、ただ一人の「新しい存在」として目ざめてゆく少女を描く、実力派作家の異色のSF。

★★★★
洋書はスティーブンキングくらいしか読んだことなかったんですけどたまたまハウルの巻末に載っていたあらすじに惹かれて。凄く面白かった!命を取り留めるためとはいえ、チンパンジーに記憶を移植されてしまったエヴァ。なのに冷静で頭がよくて、自分を生きる動物として捉えられる、彼女の賢さと活躍に胸がわくわくする。あと、チンパンジーのスニフがかっこいい。