間宮兄弟/★★★★

間宮兄弟

間宮兄弟

兄・明信、35歳、酒造メーカー勤務。弟・徹信、32歳、学校職員。2人暮らし。読書家、母親思いで、マイペースで人生を楽しむ兄弟だが、おたくっぽいと女性にはもてない。一念発起で恋人をつくろうと、徹信の同僚・依子と、ビデオ屋の店員・直美を誘って家でカレー・パーティーを開く。不倫の恋に悩む依子は兄弟には興味なし。明信は直美をデートに誘うが断られる。その後徹信は、明信の同僚・賢太の妻・沙織に心惹かれるが冷たくふられる。しかし、直美の妹・夕美は徹信に興味を持つ。そして、兄弟の純粋な感性は次第に女性たちの心を動かすことになる……。“そもそも範疇外、ありえない、いい人だけど、恋愛関係には絶対ならない”男たちをめぐる、江國氏の最新恋愛小説。

大人になった私たちは、もっと自由でもいいはずなんだ。間宮兄弟を読んでるとそう思う。
98%の人に気持ち悪いと思われても、2%の友人に恵まれていればしあわせなこと。でも現実は98%の人は周りを気にする八方美人、2%は落ちこぼれ。そうなってしまうのはあまりにもたくさんのものを欲しがるからなのかなあ。
さすがに35と32の仲良し兄弟二人暮らしは少々気持ち悪いとは思って。あと女性に対する意識・思い込みはやっぱそれダメだろ、とつっこみたくなるオクテ兄弟。望むものは少ないのに恋人のできない兄弟を、だけどちっともかわいそうだとは思わなかった。それがこのお話のいいところかもしれない。