王国3/よしもとばなな

王国〈その3〉ひみつの花園

王国〈その3〉ひみつの花園

★★★★ 別れのお話。王国1、王国2(http://d.hatena.ne.jp/noraneko244/20040205#p1)の続編なのだけど、前の2冊の内容をすっかり忘れているので感動が薄い。要再読!
読んでいると、主人公の雫石が物凄く思い込みが激しく我が強い子に思えてくる。別れのシーン、残酷だった。ぐさぐさきた。そんな別れのときに漂う気配とか、その後の現実を見ないようにしながらも落ち込む感じ、なんでもないフリをしながらも実はぐっさり傷ついてる感じ、昔の私なら、もっと素直に共感できただろうに。それでも筆致はうつくしく、ときどきはっとさせられるほど情景が目に浮かんだ。そういうところは本当にうまいと思う。