凸凹デイズ/山本幸久 ★★★★☆

凸凹デイズ

凸凹デイズ

浦原凪海(ナミ)は「凹組(ボコグミ)」という零細デザイン事務所の社員。天才肌だが自覚のない変な着流しのデブ・黒川と、真面目で少し頼りない大滝とたった三人で仕事をしている。エロ本のレイアウトやラーメン屋の看板など小さな仕事ばかりしていたが、寂れた遊園地をリニューアルする際のキャラデザインの最終コンペに残っていた。 凪海が小さいときから友達のように描き続けてきたデビゾーとオニノスケが採用され、QQQという大手事務所と組んでプロジェクトがスタートするのだが、QQQの女社長・醐宮と凹組の男二人には何やら因縁があるらしく…………

面白かったー!構成も内容も文章も、テンポがよくて読みやすい。広告業界の仕事もちらっとだけど書かれていて興味深いし、凪海と醐宮のちょっと友情が生まれてく関係が楽しかった。女の子二人がいい性格をしていていちいち魅力的! 今の凪海の頑張る姿と、10年前の凹組3人の青春が交互に章立てされてるのも良かった。欲を言うなら、10年前3人が決裂した一番キツイところにも切り込んで書いてほしかったなー。想像するから余計甘酸っぱいのかもしれないけど。
ラストもとても好き。手を止めることなく読め進められた本でした。