エスシリーズ/英田サキ

エス (SHYノベルス)

警視庁組織犯罪対策第五課、通称「組対5課」の刑事である椎葉は、拳銃の密売情報を得る、言わば拳銃押収のスペシャリストだ。その捜査方法はエス(スパイ)と呼ばれる協力者を使った情報収集活動に重点がおかれている。椎葉は新宿の武闘派暴力団・松倉組に籍をおく男を情報提供者として工作している。ある日、寝起きの椎葉に一本の不明な電話がかかってくる。おまえのエスに気をつけろ、と。劣情と矜持、孤独が交錯する男たちの物語。

私はＢＬといえど受の子が恋だ愛だ好きだばっかり呆けてると冷めちゃうんですよ。おまえ仕事（とか勉強とか自分の人生とか）ちゃんとしろよ！と言いたくなる。そんな私にこのお話しはかなり美味しい。仕事にかける男たちの矜持！それでも止められずに惹かれていって、狭間で揺れ動く！みたいのがタマラン（*´д｀*）エスと刑事の話、という予備知識しかなかったんで、はじめ安東×椎葉だと思ってたからヤツがぽっくりいったときには吃驚しました。あ、宗近の方なのね…；；　拳銃摘発のあれこれと、椎葉と宗近の駆け引きの割合はちょうどいいバランスで、あれよりＢＬ要素が多くても白けちゃうし、少なくても何だか物足りなかったと思う。ときどき妙に親しげに、漫才みたいな会話をする二人のシーンが好きだなあ。お互いにとっくに惚れちゃってんのに、何とかかんとかそれを誤魔化して認めずに、協定を結んだ印象。まだあと３巻もあるんで、その関係がどう進んでいくのか楽しみ過ぎます。というわけで今は二冊目を読んでますヨ。
ああそれにしてもこの挿絵の奈良千春さんの絵は凄いっ！魅力的だなあ。P181の宗近の透け手には笑ったけど（なんでああ描いちゃったんだろ？笑）もっと見たいという気にさせる……けどあんまり自分で漫画は描いてないんですね？ＢＬ界の小畑健だな！