フラワー・オブ・ライフ 1〜4巻/よしながふみ

フラワー・オブ・ライフ (1) (ウィングス・コミックス)

フラワー・オブ・ライフ (1) (ウィングス・コミックス)

★★★ 完結して、各所で絶賛のフラワー・オブ・ライフ。3巻まで貸して頂いてて、おお振りのついでに4巻買いまして(笑)読み始めました。
ま、まじま…なんつう……!色白腹割れな萌えヲタってのがすごいな。よしながさんならではのコミケ解説とかもすげ。学生生活のちょっとした棘やら痛みやらくすぐったさが超絶きれー!!な絵で描かれている。どーなっていくんだろうな。


フラワー・オブ・ライフ (2) (Wings comics)

フラワー・オブ・ライフ (2) (Wings comics)

★★★ あああ、そか。意外とちゃんとした学園漫画@文系 なのか。なのか? 学祭っておもろいよなー。貞子…じゃない武田さんがかわいいよお。真島のかっこよさはほんと反則。
NO COMIC NO LIFE◆第46回:よしながふみ先生インタビュー


フラワー・オブ・ライフ (3) (ウィングス・コミックス)

フラワー・オブ・ライフ (3) (ウィングス・コミックス)

★★★★ 磯西と陣内と武田の話、山根と坂井の話、なんかもうリアルすぎてドーンと胸にきた。私は中高女子校で、もちろん漫画の貸し借りもしてたし、学校帰りに友達と連れ立って帰ったりもしたし。本の貸し借りの話は特に身につまされました。私は一応書店紙カバーかけた状態で、袋に包んで、やりとりしてたけど、それは相手の子がそうしてたのをいじらなかっただけで、私自身はわりとそういうのに無頓着だったと思うんですよ。知らぬまに不快な思いをさせていなかったか今更ながらに心配です。ああごめんなさい。そういえば小学生の頃は、教科書が汚れるのも嫌で、人に貸したあとで落書きなんかしてあったら、なんてことないふうを装いつつも内心やだな〜と思ってたもんだった。心の狭いやつだ。それが中学でとある友達に出会って、「んなこまけーこと、気にするとこちゃう、むしろ落書きあったほうがおもろくて思い出にもなっていいやん」という方向に考え方がシフトしたんだった。あの出会いはでかかったなー!って、振り返るとそう思える相手って誰にもきっといるんだよな。そういう話を人に聞くのが好きです。「今まで生きてきたなかで、自分に影響与えたひとっている?」とかって、よく聞いてみる。飲みの場所とか、デートとかで。たいてい答えは、面白いか、さもなくば「やっぱ親かなあ」とかの無難なものかのどっちか。
そういえば私が若い盛りの当時は、「名字呼び捨てな友達関係」に憧れたりしたなあ(笑)。私自身は下の名前呼び捨てか、本名にぜんぜん関係ないあだ名で呼ばれてたもんでね(ちなみに鳥の名前です)。文系のそういうコミュニティ所属だったんですよ私は。運動部系の女子たちが名字呼びなのがちょっとかっこよさげでうらやましかった。でもそういうのって、頼んで呼んで貰うもんでもないし、自分が使おうにもキャラとか照れとか色々な問題があって。そういう学生時代を懐かしく思い出した巻でした。
堤真一オダギリジョーのラブシーンには爆笑したし、クリスマス会も、見事な群像劇。うん、面白かったです!!



フラワー・オブ・ライフ (4) (ウィングス・コミックス)

フラワー・オブ・ライフ (4) (ウィングス・コミックス)

★★★★ うわーうわー。よかったなああ。タイトルの意味がわかるとこ、そしてラストの2ページ、かんぺきだ。姉ちゃんがどうなったのか、真島と滋がどうなったのか、はっきりとわかんないとこまでかんぺき。漫画家を目指す方向に話しがいったときはどうなることかと思ったけど、いろんな世界を詰めて、それでも破綻しない、流れていく人生の一部を切り取るのがほんとうにうまいです。漫画を描くことをこういうふうに捉えてるんだとしたらよしながさんはほんとうにすてきだなあ!ああなんか感動した。
隠すことじゃないし、誰にでも病気のことは言うんだ!とポリシーを持っていたハル太だけど、そういう一見裏表のない天然ないいこ=自分中心なのがそもそも子どもなんですよね。知って、おとなになって、ただすべてを自分がいいからってあきらかにしてしまうってのは違うって、気付けて成長してるのが……!泣!あの隠し事のない天真爛漫さが失われてしまうさみしさと、自分より周りの人の心境を思い浮かべて友達に喋る時期と事柄を選ぶっていうかなしさと、だけどそうやって失って得て、それこそがきっとおとなになるってことなんだ。 っていうかもう、こういう言葉で褒めれないくらい、読んだ方がひゃくまんばい早いです。しをんさんのブログでの考察も、そういうふうに見て読むとまた味わい深い。

「けどそーいや中学ん時の奴らどーしてっかな
俺入試のすぐ後に入院しちまって卒業式にも出らんなかったし 誰も見舞いにもこなかったしな…」
「…」
「まーけどそれって特別あいつらが薄情って事じゃねえと思うぜ(中略)だって翔太お前いま中学ん時の友達と誰か会ってる?」
「あ ホントだ… 僕も全然会ってないや」
「な」
「… …何か いつか僕そういう事がマンガに描けるようになりたい」
「あ?そういうのってどーいうの?」
「どうってえっと… それは分かんないや ひとくちにはうまく言えないけど」
「あーまーそうだよな ひとくちに言えたらマンガ描いてねーよな」
「うん ホントだ ひとくちに言えない事だから僕らマンガを描いてるんだ」
シャッ シャッ シャッ シャッ
「ん! おし!いいカオだ!」