墨攻/酒見賢一 ★★★★
- 作者: 酒見賢一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1991/03
- メディア: 単行本
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兼愛・反戦を説き墨子(ボクシ)が築いた墨家(ぼっか)であるが、三代目巨子・田襄子(デンジョウシ)の代となり徐々にその体質を変え腐敗し、権力と結びつく道をとろうとしていた。 そんな中、祖の意志を貫こうとする墨者(ぼくしゃ)の革離(カクリ)は、趙(ちょう)軍に攻められている、趙・ 燕(えん)両国に挟まれた小国の梁城城主・梁溪(リョウケイ)からの依頼により、田巨子の命に背き単身梁城に乗り込み、趙の大軍を相手に梁城を守ることとなる。墨家の協力が得られないまま、革離はたった一人で梁城の民をまとめあげ、巷淹中(コウエンチュウ)将軍率いる趙軍を相手に奮戦する。
墨攻 - Wikipediaより
非行を標榜しつつも最強の戦闘集団であった墨家の中の一人の戦術家・革離が城を守る話。こういう話が苦手な私でもわかりやすくて、短いし字はでかいし、すいすい読めて面白かった!漢字の読み方さえ慣れれば…笑。本当はぼくてきって名前なのを墨子・子墨子と呼んだり、革離も革子と呼ばれてたり、「子」を付けるのは敬ってるってことになるんだって。「様」みたいなもん?そういうことさえも知らずに漢文やってましたからね;;
非戦のために城を守ることを得意とし、「墨守」という言葉を生んでるほどの教団、転じて「墨攻」というこの造語のタイトルは超かっこいい!その在り方が生む矛盾は、「戦争を根絶するためにすべての紛争に武力介入する」ソレスタルビーイング@ガンダム00に通じるものがあるなー。墨子と孟勝(3代目鉅子=墨家集団の長)を尊敬し、墨家としての信念を持ち、ただひたすら働いて兵士・邑人の心を掌握してゆく革離に痺れる。終わり方もあっさりしていて好きな感じ。戦国武将はこうでなきゃ、風のようでなきゃね。
中国にこんな集団がいたのかー、いろいろ調べるうちに楽しくなってきてしまった!もっと読みたいなー漢字はもともと嫌いじゃないし、三国志もいつか読みたいし。映画(http://www.bokkou.jp/)、主演のアンディ・ラウが革離のイメージにけっこう合ってるし観てみたくなった。あ、この映画は、漫画化されたのを映画化したもん、みたい、です。
- 作者: 酒見賢一,久保田千太郎,森秀樹
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1999/05/01
- メディア: 文庫
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- 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
- 発売日: 2007/07/27
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参考:墨家 - Wikipedia/墨子 - Wikipedia
◆墨家十訓