99%の誘拐/岡嶋二人 ★★★☆

99%の誘拐 (講談社文庫)

99%の誘拐 (講談社文庫)

おかしな二人http://d.hatena.ne.jp/noraneko244/20071010#1192031717)を読んでからずっと気になってたので、得意の誘拐ものから読んでみた。イズミ(井上夢人。イズミ呼ばわりか!w)の文章はやっぱり読みやすい。平易な言葉で書いてあるからどんどん頭に入ってくるし、どことなく若々しいし、面白かった。誘拐=子どもをさらって金をせしめる手段、ではなく、ある特定の人物に会社運営のためのお金を吐き出させるための手段、として使った事件が発端になって、20年後に2度目の誘拐事件が起こる。このハイテクを駆使した誘拐を起こすのが、成長した過去に誘拐された子で、慎吾っていうんですよ。展開が早くてぐいぐい読めるけど、そのぶんラストがちょっと薄くて拍子抜けかなー。仕掛けとプロット優先のお話だと思う。読み終わってから「99%」というタイトルの意味をしばらく考えた。残りの1%、及ばなかったのは間宮さんの件ってことなのかな? 初出が1988年(99%の誘拐)だってのがすごいー。