L change the WorLd/M (小説すばる) ★★☆

L Change the WorLd

L Change the WorLd

小説すばる 2008年 01月号 [雑誌]

小説すばる 2008年 01月号 [雑誌]

小説すばるでの全文掲載にて。本のほうのイラストと装丁も気になる! 文章は西尾維新版(http://d.hatena.ne.jp/noraneko244/20071130#1196436567)のがリズムがあって好き。L自体の人間くささは、私はLに神秘性は求めてないので全然気にならなかった。むしろ問題はストーリー、筋の展開…。行ったりきたり、無駄に複雑だったりいらない展開だったり…に思える。ライトに比べて、ライバルの技量が足りないのかなあ。LABB事件でも、確かにLは自分では出てこなくて南空ナオミを駒として使ってたわけだから、こうやって死ぬ前の最後の事件で自分で体を張って動くってのは新たな面を打ち出すには有効かもしれない。
どんなLがいてもいいと思う派なので、どのLのエピも楽しく読みましたが(ライトの形見の時計を大事に持ってたりとか)、慟哭して手を打ち付けたときはさすがに吃驚しました。他のLの存在をちらつかせてみたり、ノートに名前を書いたときのリュークとの会話だったり、世界一の名探偵として大統領と電話したり、とかはいい感じだった。とにかくすごーく、同人誌的・二次創作的だなあと思った、あちこちで…。

「なあ、竜崎。竜崎はキラを捕まえることができたん?」
「いえ、殺人を止めることはできましたが、捕まえることはできませんでした」
「なんで?」
「キラは死んでしまいました」
「ほな、竜崎の負けやな」
「どうしてそう思うんですか?」
(中略)
「……そうですね。負けです」
「全然駄目やな」
「全然駄目です」
 珍しく素直に負けを認めたLは、再び寝転がって夜空を見上げた。その左手が、右腕に巻いた時計を守るかのように包んだ。
「竜崎、何考えとるん?」
「私のたった一人の友達のことを考えていました」
「友達って、その壊れた腕時計の持ち主?」
「はい」

んでも、これはあくまで小説ではなく、「映画のノベライズ」だと思えば仕方ないのかも。そして最期ではやっぱり胸を打たれてしまう。L好きだ……!
いちばんよかったのは、一緒に載ってた松山ケンイチのインタビュー、「これはLが L自身を救う話です」。松山くんのLを見るためだけでもいいや、映画観てみよ。