あなたをひとりじめ/内田かおる

メンクイ!のあとに内田作品にいくとあまりの違いに、「これほんとに同じジャンル…?」と遠い目になります。んでも、どっちのテイストも好きなんだよ、どうなってんだろ私の脳みそは。内田さんが己の萌えにあまりにも忠実に描いた、「10歳以上年の離れたカップル」ばかりの短編集。しかも、「受は20〜50代でいいが、攻はぜったい10〜20代限定」(あとがきより)。いやしかしどのオッサン(受)も可愛いんだよ。便所で柔道家みたいなごつい体格の先生(おっさんです)が並んでて、手を洗うときに揃ってハンカチを口にくわえてたりするんですよ!!(力説されても。しかし秀逸な表現だと思ったんだ…) そして攻はそんな受をかわいいと思うあまりぶっ飛んでるへんたいさんばかり。うん。自分より一回りはでっかい先輩の土方さんを膝の上に乗っけて、「ホントにオレがこっちでいいのか?!!」「…カワイイ方がオンナ役でしょ?」とか言っちゃうのだ(@「ちょっとまて!」)
私が一番好きな短編は、「初恋に捧げる」。指をケガした元女ったらしのドカチン・タツヤ × 無愛想な専門店の店主・正義。この店主さんがいちばん魅力的だったからかなー、どこがって無愛想だけど面倒見がいいとこと、むっちりした抜群のスタイルが(←だいぶ感化されてる)。タツヤも阿呆だけど無邪気でいいやつだったし。一度失敗したあとは、せつなさもあってよかったれす、いちお少しはちゃんと考えてくんないとねえ。内田作品は双方のキャラ・心理描写もそれぞれうまいので、できれば短編じゃなくてどっち側からも描いたお話しが読んでみたい。いまんとこ短いの(たいてい片方側からの描写)しか読んだことないし。「初恋に捧げる」なんか、正義さん側の感情を読んだらもっと好きになると思うんだよなー。あと息子たちも。特にタケの裏設定とか聞いた日には読みたくてたまらないんすけど。