「山のあなた」補足

前回の感想(そこまでカヴァーにこだわるんだったらなんでタイトルを変えちゃったんだよう、と思ったけどさすがに質問できなかった http://d.hatena.ne.jp/noraneko244/20080417#1208448753) につけたしー。




⇒⇒⇒案の定すっげー前にタイトルのついた経緯が載ってました;;

【 記者会見 】 大多亮プロデューサー

山のあなた」というタイトルについてですが、「原題の『按摩と女』というタイトルでは直接的すぎるのではないか」ということで、色々と考えました。その中で「ホテルビーナス」の脚本を手がけた麻生哲朗さんに脚本を読んでもらい、どんなイメージかを聞いて、「山のあなたの空遠く『幸』住むと人のいふ」という有名なカール・ブッセの「山のあなた」の詩からタイトルをとらせていただくことになりました。「山のあなた」というと、僕の世代では三遊亭圓歌の方が分かるのですが、これが分かる方は少ないですね(笑)。そこに「徳市の恋」と、サブタイトルをつけました。
http://www.toho.co.jp/movienews/0706/02yamanoanata_sk.html

山のあなた」カール・ブッセ(上田敏:訳)

  山のあなたの空遠く 「幸い」住むと人のいふ
  ああ、われひとととめゆきて 涙さしぐみ かへりきぬ
  山のあなたになほ遠く 「幸い」住むと人のいふ


  山の向こう、ずっと遠い空に幸せはあると人は言う
  ああ私は探しに行ったけど見つからず、涙を浮かべて帰ってきた
  私が行った山の向こうよりもなお遠くに、幸せはあると人は言う

つまり、石井監督発案ではなく、商業的なアレ(戦略?気遣い?)からということですねー。んでも、これはなかなか合ってると思うです。石井監督も問題ないと思ったから了承したんだろうな、ということはこの映画内では登場人物だちは幸せに辿りつけなかったのかもしれないんだなあ、とかそういうことを考え出すとまた面白い。すてきなタイトルです。



http://www.yamano-anata.jp/