世田谷一家殺人事件 侵入者たちの告白/齊藤寅 ★★☆
- 作者: 斉藤寅
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2006/06
- メディア: 単行本
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「私たちを結びつけていつものは、カネだけです。(中略)」
彼らに精神的な何かは必要ではないのである。痴情、怨恨、あるいは復讐が原因となった犯罪は一切ない。
またグループ内では相互に競争心が芽生える、ともいう。だからこそ、大きな犯罪をやりとげて自己顕示を行なうのである。これが彼らを特殊なグループとして際立たせている。(中略)
そして、もう一つ、とりわけ重要なのは、このグループが犯罪を行なうのは、この日本国内のみである、という点である。そして、その犯罪が残忍であればあるほど、彼らはグループ内で優位な地位に立つことができるというのだ。
(中略)彼らの犯罪にたいして、この国があまりに無防備なのである。
自分たちをいつまでも下級外国人扱いする「あの目がいやで」積極的にグループに加わり、やがて中心になっていった韓国人がいた。その一方でセキュリティーに無頓着でバカみたいに人を信じる日本人からカネを奪いとるためにグループ入りしたという中国人もいた。