誰も守ってくれない

  • TEAM・踊る大捜査線の君塚さん脚本・監督なんで見ようと思ってた映画。こないだテレビでやってた「誰も守れない」っていう映画よりも前の時間軸のドラマも視聴済。それにしても宣伝すごいやってるよね…。
  • 警察は加害者家族の保護を認めていない(マスコミやネットの攻撃による自殺を防ぐため・供述を取るため)、けどそういう仕事があるに違いない、という君塚さんの取材過程での知識を元に製作されたオリジナル作品。
  • 観終わったあとも心がシーンとしてしまってどうしたもんかと。TEAMもそうだったけど、何もかもがやるせなくて全然解決はしてなくて。私がこういうのを見て思えるのって、せいぜい「当事者だけにはならないようにしよう」ということぐらい。フィクションの世界でこういうものを見て、自分の身に、家族の身に降りかかった場合をちゃんと「想像」できるだけの力があれば、きっと人を殺したり、犯罪なんて犯さないような気がするんだけど。「ネットの晒しってこわい」っていうよりも、たまたま掲示板の形を取っているだけで、本当に怖いのは心の動き方であって、人の悪意はあちこちにあるのだから。
  • 刑事が世話になりに行く被害者遺族の夫婦(柳葉敏郎石田ゆり子)。息子を殺されたわりに優しくてなんか菩薩みたいだな…と思ってたら途中でちゃんと激高するシーンがあってなるほど、と思った。そんでそのあとで謝るとこまで入ってて、この無理やり自分たちを抑えつけている感とグラグラ揺れている部分が人間らしく。息子が死んでまだ数年っぽい設定だし、人はずっと怒ってられないしずっと笑ってもられないってのがすごく出ていてよかった。事件後、こうやって一進一退しながら被害者家族と担当刑事は関わりを続けてきたんだろうな、と。
  • 加害者の妹(志田未来ちゃん)が自己中的に刑事に反抗するわけだけど。このときにペンションの旦那さんが言った、「あなたしかいなかったからですよ。悲しくて、どこに怒りをぶつけていいかわからなかったんでしょう彼女は」って言葉に頷いた。最近、そういう事例が多すぎる。
  • 私は常日頃、「自分の状況を人のせいにしない」「もし内心で人のせいにしてしまっても口には出さない」というのを心がけてるんだけどなかなかうまくいかないときもあって。自分の面倒は自分で見たい。あと、「何かを褒めるために他のことを落として表現しない」、「自分の見方だけが正しいと思わない、多角的に見る」とかいうのも。そうしていると心はわりと平静で、色んなものをただ見て暮らすことができるんだけど、その一方で自分らしさ、人間らしさが消えていくような気もしている。実践しようとすると、吸収しすぎて自分の感じたことが言えなくなって苦しくなってくるんです。少し前に「僕らの音楽」の対談で堤さんが「自分が薄くなってしまわないように」と言っていたのがわかる気がする(ちょっと違うか)。でもそれをかいくぐってバランスを取り、何とかやってくのが唯一のやり方だと感じてしまっているのでしょうがない。たまにははっちゃける。おもしろおかしく暮らすべく努力する。だってそういうすべて、いま目の前にある「世界」は残念ながら「自分」というフィルターを通したものでしかありえないので、自分がきらいだときついだろうなあと思うから。
  • 木村佳乃が超美人でした。足きれー顔つるつるー!
  • 花男でつくしの弟役もやってた冨浦智嗣くん、今回は彼氏役なんですけど、なんせ声が高い!もう笑っちゃうくらい高くておんなのこみたいでした。それで裏切るとかね。