三四郎はそれから門を出た/三浦しをん ★★☆


うーん。主に寝る前に2,3ページずつ読む感じだったんですが、面白いときと面白くないときの差が激しかったような。私の気分の問題?やっぱり弟くんの話が段違いに好き過ぎる。弟くんと異常に仲の良いジロウくんはバスケをしてるときなどによく肩の関節を外してしまうそうなんだが、その度に弟くんはそれをはめてやるんだそうで。曰く、「ジロウの肩の関節に関しては、俺はもうプロだよ。角度も知りつくしてるから、目を閉じててもはめられるね」とのことw

「あんたに関節をもとどおりにしてもらってるあいだ、ジロウくんはどうしてるの」
と聞く。
「ジロウ?ジロウは出産する勢いでフーフー言ってるよ。あれはちょっと気色悪い」
「痛みに喘ぐ友人に対して、ひどい言いぐさねえ。生まれてくるのは、あんたの子なのに」
「おまえはまた!肩の骨をはめただけで子どもができるか!」
と弟は怒ったが、それ以前に、男同士ではなにをどうはめても子どもはできない、ということに気づいているのかどうなのか。弟とジロウは、いつもラブラブぶりを見せつけてくれるのだった。

うまい。


私は、チビッコたちに無邪気さを求めるような大人になりたくはない。「無邪気」とは決して美徳ではないと、もうわかっているからだ。むしろ、「邪気でむんむん」なほうが、賞賛されるべき人間の在り方じゃないだろうか。
「邪気がある」とは言いかえれば、「自分はなにが好きでなにが嫌いか」をちゃんと知っている、ということだ。「邪気」とは「選択」にほかならない。自分の欲望の方向性を選択せずに、与えられるものをただ無邪気に享受しているだけでは、あらゆる物事の快楽の深みには到達できないだろう。

邪気ある者として、こうありたいものです。



他に、紹介されていた本で読みたいなーと思ったものをメモ。