仔羊の巣/坂木司 ★★☆

前から気になってたニアボーイズラブ。しまったーこれ2作目だったー。1作目の「青空の卵」から登場人物が引き継がれてるから若干わかりにくい。それをさし引いても、依存しあってる鳥井と坂木の関係はこれならもっとうまく書いてるBLとかあるし、ハイスクールオーラバスターの希沙良と十九郎の関係の方がずっと複雑で納得できる。っていうかこれでBLじゃないのが余計に恥ずかしいよwでもまあ、坂木に何かあったらすぐウワーンと泣いちゃう鳥井にはちょっと萌えたわけですが。1冊目から読めばもっと好きになれるかなー。日常系ミステリーの推理も無理があるような気がしちゃうんだけども…。作者の名前=主人公な本であんまりいい目をみたことがないです。その法則を確かめるためにも「冷たい校舎の時は止まる」を読もう読もうと思いつつまだ読めてないという。

 ああ、と僕は納得した。結局は想像力の問題なのだ。人間に想像力なんてものがなければ、おばけも神様もいない。二者の差は、自分には理解できないものをプラスにとらえるか、マイナスにとらえるかの違いでしかないのだ。
「その恐怖が高まったとき、人はスリッパを手に取る。わからないから、なにかされる前に殺して、ないしは排除してしまえと。そういう心理がホモフォビアにもあるな」
「攻撃は最大の防御ってか?」
「馬鹿。せめて窮鼠猫を噛む、ぐらい言えよ。ま、なんにせよ理解不能が恐怖と嫌悪への引き金になることがわかった以上、『生理的な嫌悪』なんて言葉の無意味さも露呈しただろうよ」

「坂木!」
 まぶしさに目を開けると、上に鳥井の顔があった。目が赤い。ちょっと、泣きはらしたような感じだ。それにしても気分がいい。
「いやあ、やっぱり整った顔立ちだけど、これにキスはできないなあ」