涼宮ハルヒの消失

  
http://www.kyotoanimation.co.jp/haruhi/movie/index.html

公開初日に張り切って見てきました。めちゃ楽しみにしてたんだよ。そしてめちゃ良かったんだよ!これから見に行く人はテレビシリーズを全話見てから行くべきです。そして以下は完全なるネタバレなので見る前には読まないでね!興奮しすぎて支離滅裂です…




  • 前提として私は原作未読、アニメは全話視聴済み。だから消失の内容は知らないままで初見でした。結論:もうキョンハルヒ長門も好きすぎてくるしい。テレビシリーズ見ててよかったー。今までのキョンを知ってるからこそ終盤の決断のカタルシスがすごかった。キョンかっこいい。かわいい。
  • 演出がはっとするほど冴えてるとこが多くて、表情も惹きつけられるとこがあって、私にとってはしあわせな映画化だった。見終わった夜にも何度も反芻して思い返しちゃうもの。
  • ハルヒがやけにかわいかったです。もう、OPバックでのハルヒキョンのストーブ取り合いからしてかわいいいいいい!!!!てなってましたからね。んで、取り合いに負けて最後にはパソコンのCPUで暖を取るキョン(笑)。たまりません。元世界のハルヒもだけど変異世界ハルヒが素を発揮しだしたときに私もキョンと一緒にすごくうれしくなった。唯我独尊なハルヒはともすればうるさい女の子に見えてしまうけど、変容世界ではその部分がパアッと世界を照らしてくれて、ハルヒはこうしててくれるのが可愛くていいこで一番いいんだなって、溜息とは全然別の角度から効果的に示されてた。
  • キョン杉田のいちばん好きな演技シーン。長門からのメッセージしおりをみつけて、窓に向かって息ついて(えろい!)「ながと…!」て言うとこ。ほっとした、味方をみつけた心情に溢れててめちゃくちゃぐっときた。杉田くんナイス!しかも、そんなに長門に頼っててほっとしてたのに、この事態を引き起こしたのが実は…ってとこがまた泣ける。そのシーンでキョンがあんなに衝撃を受けたのもよくわかる。杉田くんの声、映画館で聞けて超よかったです。ほんといい声。やさしい声。
  • 他にもキョンはずっと出ずっぱり喋りっぱなしで(出てないのなんてエンドロールとその後だけぐらいな勢い)。いーっぱい可愛いとこがあって大好きになった。もうとにかくすごいの! 以下思い出しながら無意味な羅列。
    • 冬だから寒がりでもこもこ、マフラーぐるぐる巻きのキョン。あれだけでもういいくらい。かと思ったら夏になって汗だくのキョンもいい。
    • エンドレスエイトに続いてまたしても寝起きいっぱい。あのスエット姿も実は好物だったり。脱ぎ散らかした服だったり。自室の中の様子に萌えられるというのは、キャラ萌えの重要な要素です。
    • 前半の、周りから見たら完全におかしくなっちゃったキョンはせつなすぎてかわいそうで。足ガクガクになるよそりゃ。つらいよ。だからこそ、長門のしおり見つけたときのあの反応にぐっときたんだろーなあ。
    • で、一番滾ったのは言うまでもなく、もう一人のキョンに頭を靴下で思いっきり足蹴にされる演出でした。上のキョンにも、下のキョンにも、ぐおおお!てきてしょうがなかった。杉田くんも声音をちゃんと変えていて、二人のキョンを大画面で観ながら、これどんな天国だよ、と呆然としました。
  • で、作品として一番心に残ってるセリフは、「今の長門さんはただの普通の女の子なんです」。それが長門の望みだったと思うともう…!その核心の部分を、キョンの独白でもなく長門のセリフでもなく、第三者の、単に事実を告げる一言で観客に悟らせるっていう演出・構成がすごい好み。「有機生命体をやめて、ただの女の子として、キョンに恋をしたかった」んだよ。長門が感情を持って世界を作り替えてしまった、けれど最後にどちらの世界を選ぶかの選択権はキョンに託した、ってとこがほんと泣ける。そんでキョンが、そんな長門をわかった上で、その変容世界の長門を選ばない決断をするっていうのが。そこまで追い詰められた二択で、ようやくキョンは自分の気持ちを認めるわけですもんね。そんで巻き込まれるだけの傍観者→すすんで世界を守る当事者へと変わる。元の世界に戻ってきて、病院の屋上で長門に優しくしてあげるキョンはあれが精一杯の誠実で、長門はきっと救われたと思いたい。
  • 文芸部でキョンに問い詰められた長門の作画の気合い入れっぷりは異常w長門の感情ある表情はインパクト満載で、ノックアウトされっぱなし。後半の、変質していく長門が空を見上げてる連続カットはよかった…
  • キョン長門はもちろん、今回はあまり描かれてない古泉とみくるちゃんの内心とか深読みしたらいくらでも想像できて、その分の広がりがはんぱなかったです。更に脇の鶴屋さんも朝倉さんも谷口にまでちゃんと役割があって、無理やり感がないのがよかった。こうして見てみると、ハルヒってすごいちゃんと考えられててエピソードのあちこちが繋がってて楽しい!しかもまだもう一回の変容世界に行かなきゃなんなくって、全容が見えてるわけじゃないのが先の楽しみがあってすごい。ジョンスミス、鍵になりすぎ!3年前の七夕がこんなにも意味を持ってるっていうのがよく考えられてるなーって。
  • 大人朝比奈さんがキョンに、「あなたもいつか高校生活をなつかしく思い出す日がくる」って静かなトーンで言うシーンが妙に現実めいていてはっとした。卒業後のSOS団のメンツはどうなってるんだろうか。やっぱりハルヒの力はなくなって、キョンともくっつかずに、友人としてちょっと疎遠になったりしながら普通に生きていくんだろうか。高校生活って人生において大部分そういう感じだよね。とかちょっと未来に思いを馳せました。
  • エンドロール後の変容世界の静かな長門のシーンは、卑怯!反則!泣ける…!消されちゃった変容世界の長門への最後の手向けでした、スタッフが本当に長門を愛してるんだなあってのが伝わってきた。キョンがいくら仲間だって、守るって言ってくれたって、長門キョンを好き(根拠:改変でハルヒと古泉を他校に飛ばした)でもキョンが好きなのはハルヒ(根拠:目覚めたあと寝袋ハルヒの顔を辿る指のしぐさ)で、本当の望みは叶いきらないわけで、その悲しさ・せつなさに対する救済かな、と。叶わなくても、長門がそういう感情を持てただけであんなに可愛くなったわけだから決して無駄じゃなくて、いいことだったんだって。

他にもめっちゃ語りたいとこあるんですが、キリがないので…。なんせ原作読んでないので的外れなとこもあると思いますがご容赦を。ほんと、全編無駄な部分のない、丁寧にキョンの感情と行動を積みあげた、いい映画でした。私がキョン(及びハルヒというアニメ作品)が好きなせいもあるかもだけど、感情の動くところでちゃんと感情移入できたし、160分という長さもいっぱいのキョンたちが見れて幸せでした。また観に行こうと思います。そして3期に期待!雪山とか分裂とか見たい!ネタはあるんだしやってほしいです。原作は…超読みたくなったけどアニメ化を待ったほうがいいかなあ…。