冒険者たち/若木未生


シリーズ7作目。新キャラが二人出てくる新章スタートです。アイドル歌手・日野ヒビキから見たTBと、新マネージャー源司さんから見たTB。そして本編は、TB初めての全国ツアー。藤谷先生が平行してやってる他アーティストプロデュースのバイトに嫉妬する朱音とか、微妙なズレとか、耳が聞こえなくなったり、一触即発な雰囲気。盛り上がってるんだけど鬱々としてるという座りの悪いバランスが絶妙にハラハラする。源司さんが癒し。そして桐哉がいいとこで朱音を掻っ攫ってずばっと言ってくれるから気持ちいかった(笑)。

「藤谷さん誰の物でもないからそういうのないです。音楽だけだから。男とか女とか関係ないです」
「おまえバカだろ」
 って桐哉になんでだか言われた。なんでそこがバカなんだか、わかんないし。
「だって西条ふられましたから先生に、恋愛ゼロって」
「嘘だろ。まだ信じてんの、あんな屑の言いぐさ」
 桐哉が、意外なくらい、びっくりしてあたしの顔見た。
「んなの蹴散らしてくっつけよ早く」
 な、何言ってるかなあ……。
「坂本くんいるので……」
「嘘だろ。ギターの奴じゃなしに?」
 ガンと頭つかまれて耳に向かって怒られた。なんでこの人が怒るかな……。
「アーッ畜生、本当に面倒くせえ女」
「なんでですか」
「だっておまえ俺のことも好きなんじゃねえの。なにふらついてんの」
 あのう……。
(好きは好きだけど)
 平気で真顔で言うかな。



↑は、タイトルの由来になったらしいガンバの文庫本。私これのアニメ映画、小さい頃に見てちょっとしたトラウマで、ずっと忘れられなかったんですよね…。今度読んでみようかな。もうきっと怖くないはず。