夜をわたる月の船/木原音瀬

ある日河瀬は上司の柴岡に人事異動をたてにセックスを強要された。どうしても企画部に異動したい河瀬は、たった一度寝るだけで自分の望みが叶うならと、嫌々ながらも男の条件を呑んでしまう。しかし、企画部に異動になったのは河瀬ではなかった。河瀬は自分の体を弄んだ柴岡を憎み、殺意を抱く。…それから数年後、河瀬は北海道支社長になった男に再会し…。心の闇を描いたヒューマンラブストーリー。

いつ?!いつラブになるの?!と思いつつ読むのはいつものこと(笑)。柴岡の事情が明かされるのが後ろすぎるので、ずっと霧の中を進むような感じ。でも最後まで読むと、よかったーと胸を撫で下ろせたしラストシーンもタイトルと絡めて救いがあった(たぶん)。このあとの柴岡側の心情も読んでみたいなー。「普通でいたかった」「河瀬に憧れていた」そんな柴岡にきゅんとしたですよ。トラウマ有り・死にたがり・元部長で支社長・中年白髪受け。



木原作品感想リスト→ http://d.hatena.ne.jp/noraneko244/20080618#1213796208