劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer- ★★★★☆


http://www.gundam00.net/index.html
ネタバレ一切読まないようにして慌てて観てきました。面白かった…!ガンダムらしくないとか、敵の設定とか、いろいろ賛否両論はありそうですけど、見てる間少なくとも退屈しなかったし夢中になってしまったので、面白かったでいい。TVシリーズに思い入れのある人なら、ほぼすべてのキャラがちゃんと見せ場あるし、短い尺の中でちゃんと決着をつけた劇場版だったと思う。


以下感想。完全ネタバレにつきご注意ください。見に行ってから読んでね!


  • まずティエリア。初登場シーンかっこいい…!ラファエルガンダム、あのどでか装備、あの性能、惚れるッ。機体としてはラファエルが一番好きだ、あれに乗りたい。「入れ物にしかすぎない」はまあそうなんだろうなーとは思いつつ、爆死するとこはやっぱクるものがある。そして後半のナビゲーション小型ティエ(一部では妖精と呼ばれているw)。ティエリアはもう完全にだぶるおーのマスコットだね!かわいい!ティエリアの透ける後ろ姿越しにELS内部を見るとこはほんといいアングルだった。ありがとうございます。
  • アレルヤも今回はちゃんと活躍していたよ!マリーと追われてる時の生身のアクションがかっこよかった。私は毎回、アレルヤの身体表現に心奪われている気がするよ…妙に男っぽいんだもん、マイスターの中で唯一。
  • ライルは、最後まで諦めないっていう精神面の強さがやっぱおにいちゃんだった。あと、マイスターん中でロックオンだけ素の人間なんだもんな、そのハンデがありながらあそこまで戦えたのはすごいと思う。
  • 刹那の意識が錯綜するところでさあ、ちゃんとニールを出すとかほんと分かってるよね…00スタッフ…!あそこの映像はいちいちぐっときた。刹那、「あのひとの愛は大きすぎるから」とか言われてたけど(笑)、1期で無感情に猛進してた子が迷い、愛を知り、変革し、宇宙体とまで対話して地球を救うとか、その主人公らしい道筋を思うとかわいく思えて仕方ない。
  • グラハム。そうか…やっぱりそうくるよね…。思ったより出番は多かったし、また仲間ができてて隊長って呼ばれてたし、ビリーと電話しながら密かにすれ違った同士に手を上げて挨拶してたのが可愛くてよかった。やっぱグラハムは楽しそうに仲間と一緒に戦っててほしいもの。最期のセリフも、すごくグラハムらしかったよね。まっすぐにしか生きられなかったグラハムが、刹那と会って自分の中の矛盾とも折り合っていくようになったんだろうなって。それはとても人間らしくっていい。最初の戦闘でのGに耐えてぐるんっと回転してたシーンは、グラハムの気合いと根性でなんとかしてる感が出ててすごく好き。グラハムはほんとかっこよくてかわいくていいキャラだった。もう一回見たい。死んじゃう爆発んとこ思い出すと今でも胸がきゅっとなるよ…。で、刹那「あの男…」って名前覚えてもらえてないの?!w
  • グラハムと同じくお亡くなりになった荒熊の息子さんアンドレイ。いい演出してもらってたね…。泣ける。
  • コーラサワーとビリーの笑い要因ぶりは徹底していたw00は女性の司令官・指揮官が多くて、特にマネキン好きなんで楽しかった。
  • 新キャラ、デカルト。まさかあんなに早くにあんな死に方をするとは…wちょっと予想外でした。てっきりラスボスというか、ELSと分かり合う前に取り込まれたデカルト意識の干渉があってガデラーザVSクアンタになってから対話に進むのかと思ってた。声優的には、一番最初に認められたイノベイター、だから、異種感を出すために俳優の勝地くんを起用したんだろうなあってのもよくわかって、勝地くんもそれに応えて異質さを醸し出していた。デカルトちょっとさ、かわいそうだったよね…。
  • 途中、人類とイノベイターの軋轢というか、隔離したりおとりに使ったり能力に頼ったり、種の違う者へのいろんな問題をはらんでる表現がされていたのに、映画的にはそこはスルーだったのが残念。宇宙からきた未知との分かり合いよりも、狭い地球を巡っての各国各種族間での泥仕合や混沌、それぞれの正義、それをどう解決に導くか、ってのが結局はガンダムなんだと思うから。まあ、解決なんかないわけなんだけど。戦争ばかり見ているとかなしくなってくる、そういう意味で対宇宙人にしたほうがまとまり感が出るのはわかる。
  • 一番わりを食ってたのはもしかしてサジかもしれないね。でもサジは2期で充分描かれてて成長も答えも出せていたしな。一般市民として、自分にできることをできるだけ、微力ながらちゃんとしてたのがよかったです。あと、冒頭の「ソレスタルビーング」映画、あれがイベントで言ってたやつねwにやにやしちゃったじゃん。
  • 「対話」「分かり合う」をテーマにしてた00、最後で敵に宇宙金属体とかもってくるのどうなの、って思ってたけど、着地がちゃんとしていたからなんか許せるかなって思った。言いたいこともやりたいことも伝わってて、ただやっぱり最後は「あの花なんなの…(ぽかーん」てなりはしたんだけど(笑)。知性も思惑も取っ払って、ただ共感して協力して情を示すこと、その表現があの花だったのかなって。取込み、学習し、コピーするELSだから、融合してきた刹那の心の芯に一番大きくあった花(分かり合いたいという思い)をコピーして、だから戦闘が止まったと。ミサイルを用いればミサイルが、MSで攻撃すればMSが、相手から同じ悪意や憎しみが返ってくる、だから決めつけず相手の状況を理解してこちらから心を開こうよ、っていう暗喩だよね。たぶん。
  • そこのちょっと前の、OOの形に粒子が飛ぶとこが絵的にもテーマ的にも神がかってきれいだった。ベタだけどああいうのが好きなんです。
  • スタッフロール&ED曲のあとのラスト。とにかく、花や植物で使い物にならなくなった兵器ガンダム、というあのEDで好きだったモチーフが出てきてくれたので私は満足です。マリナと刹那が、やっと再会できたのもよかったよね…!もうさ、泣けるよ、ウン十年二人ともがんばったんだもん。すぐに恋愛だとか答えだとかを出したがるけど、そんなもん一生かかってやっと手が届けばいいってなくらいのもんなんだよ、まああの二人は辛抱強すぎると思うけどねw おばあちゃんになった人間マリナと、ELSと同化し人間でなくなった金属刹那、二人が分かり合って抱きしめあえたのは00のラストにふさわしかったと思います。
  • 理屈は抜きにしても、戦闘シーンはかっこよくって迫力とスピードがあって、登場人物はみんな一生懸命で、いい映画でした。真剣に見すぎて頭が痛くなったくらい。また見に行きたいなあ。