所轄刑事・麻生龍太郎/柴田よしき ★★★☆

 

新米所轄刑事だった麻生25歳が、本庁に取り上げられる前に解決した事件の連作。麻生さんの人格、けっこう好きだなー。普通の刑事ミステリーもの。ちょっと安積班みたいに刑事側の人情が混じってるのが読んでて易しい。出会う前の話なんで練は出てこないけど、そのぶん及川さんとの関係はけっこう出てきます。せつねーなー及川さん。麻生みたいのが一番困る。

麻生龍太郎は、二十五歳の新米刑事。下町を管轄する高橋署の刑事課強行犯係に配属され、ささいな傷害や器物損壊事件にも、犯人の心に深い闇が潜み、傷つき泣く人がいることを知ってゆく。そして次々に起きる事件は、恵まれた警官人生を歩みながら、人には明かせぬ秘密を抱えて生きる麻生自身をも変えていった―。のちに辣腕刑事となる男の「それ以前」を描いたミステリー連作短編集。