月に笑う(上)/木原音瀬 ★★★


路彦は、深夜の教室である事件を目撃してしまう。それ以来、事件のことを探りにチンピラ信二が学校周辺をうろつき始めた。ひ弱な優等生と小さな組のヤクザ―年齢も環境も大きく違う二人なのに、知り合ってみるとなぜか奇妙な友情関係が芽生え、路彦の未成熟な心と体に、信二の存在は唯一の安らぎとなっていくのだが…。二人の出会いから九年の歳月を描く超長編。大量書き下ろしを加え上下巻同時発売。

ヤクザの下っ端チンピラ(だけどほんとは気は良い)山田信二 × いじめられっこ中学生 加納路彦。読んでるうちに引き込まれるし、徐々に惹かれあう二人の気持ちはわかりやすいし、やっぱうまいですねー。挿入はないものの、乳繰り合うシーンはわりとあって木原さんにしてはサービスが良いです(笑)。どこに向かっていくのかなあ。今回はラブラブだとペーパーに書かれてたので、そんな酷い方向にはいかなさそうで安心。刑事に「ちょっといじめられたくらいで簡単に死にやがる」と言われたときの路彦の反論するシーンが印象的。