ワナビー/日野草


ネットアイドルになってしまった、28歳の平凡な男・通称「枯神」。突如、姿を消した彼がおどろくべき事件の全貌をブログで語り始めた―。絶妙なキャラクター造形と「今」を切り取る疾走感!小説の新たな企みがここにある。第2回野性時代フロンティア文学賞受賞作。

素人勝ち抜きゲームの動画サイトを軸に、ブログやネットを絡めた物語。なんとなくフジの「逃走中」を思い出した。ニコニコでの人気ゲームプレイ動画うp主の囲炉裏さんの騒動とかも思い出した。読みやすいんだけど、ゲーム内容とか、終盤で弟と彼女が絡んでくるのとか、いまいち盛り上がりきれなかった。最後のどんでん返しも、やりたかったことはわかるけどあっさりしすぎているというか。現実のニコニコの騒動をあれこれ知っていると、そっちのがどぎついしある意味面白いんだ…下世話だけど。難しいなあ。応募時はタイトルも「枯神のイリンクス」だったらしいのにどうして「ワナビー」に変えちゃったんだろうー。あとがきで選考委員の山本文緒さんが「近親相姦は不要では?」と書いていて、文中では近親相姦じゃなかったから、たぶん応募時からは改稿したんだよね?それを注釈でも入れとかないと、山本さんがちゃんと読んでないみたいに思われちゃうよ。一般2冊目。