二都物語@東急シアター・オーブ


原作は、フランス革命時のフランスとイギリスを舞台に、男女の悲恋を描いたチャールズ・ディケンズの同名小説。今回は、ヤマタイとクナという、邪馬台国の時代をイメージした古代日本の物語へと大胆にアレンジ。クナの代言人(=弁護士)の助手・スクネ(草なぎ)とヤマタイの独裁者の息子・マナコ(小澤征悦)、そして、ヒロインのサクヤ(堀北真希)が織り成す恋愛ドラマが描かれる。
http://www.theaterguide.co.jp/theater_news/2013/04/05_04.php

渋谷ヒカリエ初めて行った!あんなんなのかー、なんとなく駅からの出口がみなとみらいっぽい。以下感想。


  • 二都物語はさすが、演劇ど真ん中、まっとうかつ普通な演目だった。スクネたんは髪型と二の腕バーンなお召し物がよい。影のあるさみしげなワルに魅かれちゃうサクヤの気持ちは、そりゃそうなるよなーって納得。つよしが!かっこいいニヒル&哀しみな役!ワーイ。銀の粉で人の心を操っちゃうぞーなくだりでは、とうとうここまできたか…と妙に感慨深かったw
  • 歌声(特に女の子の)がきれいでよかった。つよしにも歌ってほしかった(…いやうそやっぱりいいです)w ほりきたまきちゃんはミミ役のときの発声と、子守唄が美しかった。
  • つよしは王の子でも何者でもない役なのか結構思い切ったなーとか思ってたら、結局は貴種流離譚だったわけで。それにしては浅いし、伏線も首飾りだけでは弱くてカタルシスがない。ヒミコの息子云々のくだりは必要だったのだろうか…ただの雑種のゴロツキが王の息子の身代わりになってあのキリストのごとき白光のシーンに繋がる方が私は好みだけど。新しい名前でクナに渡って生きようとしたのに、結局は王族として血のケジメのために死ぬのではあんまりすぎる(しかもあの悪いやつの子じゃなくて、被害者ヒミコの子なのに???)。スクネ自身は愛する女の幸せのためなんだからそれでよかったのかな。
  • なんだか隙の多い脚本だった気もする。最後、天に召されたスクネたんが朗々と語っていたけど、あの語りの内容を物語で見せなくては意味がないのではないか。三角関係ものはむずかしいね。(あれが洞窟で地面に描かれた絵を見ながらのスクネが死の前夜に感じたことだったんだ、という評を見て、ああなるほどそれならいいかも、と思いましたまる)