ハケンアニメ!/辻村深月

監督が消えた! ? 伝説の天才アニメ監督・王子千晴が、9年ぶりに挑む『運命戦線リデルライト』。プロデューサーの有科香屋子が渾身の願いを込めて口説いた作品だ。
同じクールには、期待の新人監督・斎藤瞳と次々にヒットを飛ばすプロデューサー・行城理が組む『サウンドバック 奏の石』もオンエアされる。ハケンをとるのは、はたしてどっち?
そこに絡むのはネットで話題のアニメーター・並澤和奈、聖地巡礼で観光の活性化を期待する公務員・宗森周平……。ふたつの番組を巡り、誰かの熱意が、各人の思惑が、次から次へと謎を呼び新たな事件を起こす! 熱血お仕事小説。

アニメ「SHIROBAKOが」面白かったので、アニメ業界を描いたお仕事小説ってあるかなーと検索して見つけ、読んでみた(図書館で、予約待ちかなり入ってた)。タイトルは、そのクールで覇権を取った一番人気のアニメ、という意味。王子も作中で言っていたけど、私もあまり好きな言葉じゃなくて(オワコン同様)。
テレビシリーズアニメ業界で働く3人の女性をリレー形式で描いていくお話(30代の深夜アニメプロデューサー、20代夕方五時子供向けアニメ監督、20代地方原画アニメーター)。シリーズアニメのつくり方から、関わりのある周辺事象(魔法少女、フィギュア会社、アニメ雑誌、声優、聖地巡礼など)まで。登場人物がアニメキャラ的で読みやすかった、そのぶん現実感はやっぱりないけれど。幾原邦彦さん(ウテナピングドラム)に取材したらしくて、王子に反映されてるのかな?と思ったり。面白く一気に読めたんだけど、終盤の締め方はちょっとふわっとしていたのが惜しい。

ここでフィギュア会社広報の逢里さん番外編が読める→ http://www.1puku.jp/novels/anohito/?dn=16