ぼくらは都市を愛していた/神林長平

デジタルデータのみを破壊する「情報震」が地球上で頻発している。原因はおろか震源地すら特定できない。あらゆる情報が崩壊し、機能を失った大都市からは人の影が消えた。
偵察のためトウキョウに進駐した日本情報軍機動観測隊は、想定外の「敵」と出会う……。

たまたま見たMMDで燭台切光忠刀剣乱舞のモデルが読んでいた(という設定)からというわけのわからないきっかけで知って借りてきた本。
あらすじにある軍人の綾田ミウ無人のトウキョウシェルターの視点(日記)と、賑わっている普通の東京で公安に勤める綾田カイムという男が腹部に通信用の人工神経網を設置され互いの考えを読み合い交信できる「体間通信」を得る時間軸が交互に語られる。綾田(男)のいた時代からの神経網システムが行き過ぎた未来がトウキョウシェルターなのかな?とか、ミウは子孫かな?とか色々考えながらその謎に引っ張られて読んでいったんだけど、結局、情報震の謎はわからないままだった(よね?)。綾田(あいでん)という読み方は、アイデンティティのことなんだろうし、ミウ=未有(未だ、有らず)、カイム=皆無、と名付け方もSFのお約束だねっとにやりとした。意外と字が大きくて読みやすいとは思うけど、それにしても、中年男性が書いた小説感がすごかったw ので、中年男性向けの物語なのだな、という気がした。