僕と彼女と彼女の生きる道 第二回(1/13)

僕道でもそうだったけど、毎回毎回、心に響くシーンが必ずあるっていうのは素晴らしいです。

前半は一回目にも増して嫌なやつでしたー。嫌な、というか、自分のことばっかで追い詰められてる、仕事してる人なら一度はああいう時期があるんじゃないかなあ。ずっとご機嫌ちゃんで他人にやさしくなんて、私はできてない。バランスの問題。仕事だけが一番だとああなっちゃうのかも。


会社での、同僚東さん・要潤とのシーン。徹朗だけ飛び抜けてちっこくって、ほんと可愛い。表情も今までと違ってなぜだかくだけてるし。他の二人が父親とキャッチボールやってたと知ってほよー!となってる顔とか。それにしても、長身の男二人に囲まれてる図ってのはいいもんですね………v(何を妄想してるかはご想像にお任せします)

「家族の団欒なんてテレビドラマだけの世界ですよね」「家族で夕食なんてあり得ないし、普通」「みんな自分が普通かよ」。ほんと、普通って何なんだろう。個々人の家庭環境に根ざした「普通」。送ってきた生活で得た「普通」。「夫婦という形態は、いつしか愛は冷めて(もしくは形を変えて)、老年になったら口もきかなくなったり、だからずっと仲良くやってける結婚なんてないんだ」っていう私の「普通」も、じゃあきっと間違っているのかもしれないなあ。


ゆら先生が徹朗をやり込めるとこでスカッとした私は間違ってるでしょうか。「子どもが泣いてるからって仕事放り出すわけにいかないだろ」「仕事終わってそういう気持ちになるときってあるんだよ!家庭教師の北島さんにはわからないと思うけど」凄く醜くて、自尊心ばかり高くて、悪意がある。立場や職業で相手を見下げるのは、今日び誰でもいけないことだと知っていて、知っていながら誰でもやっている最低のやり方です。怒鳴られても臆せずに、ずずいっと近付いて「凛ちゃんを愛してないことも?」と爆弾を打ち込んだゆら先生の強さに、小雪はぴったりでした。

やり場のない屈辱を胸に、娘の部屋にあたりにいく徹朗。「わかってるよ、無視だろ」って頬を引き攣らせて笑ったときの表情に、ぞくっとした。


離婚前の夫婦の会話。回想シーンのラッキースタンプ、りょうが口にした「破れちゃったー」がとても主婦らしくて、りょうって専業主婦らしくないよなあと思っていたのがちょっと納得。

「いいえ。私はあなたの家政婦だった。これ以上一緒に居たくないの」
強い口調で、強い目で、ハッキリ言われて。徹朗の心臓がどきーっとしたのが聞こえるみたいだった。「これ以上一緒に居たくない」って、最上の離婚理由だよね。ああつらい。一生懸命働いて、29歳でマンションまで買って、だけど気付かなかったばっかりにこんなことになってる。こんなことになるまで気付けなかった。男の人はたいへんだなあ。仕事頑張って、家庭も頑張って、子どもも妻も頑張って。どれかひとつでも欠けていたら、例えば離婚を言い渡されたり、例えば出世できず左遷されたり。してしまう可能性があるのだ。

加奈子さんの言ってることはもちろん正しいんです。徹朗は悪い。だけど、妊娠して学生からすぐ結婚、働いた経験のない加奈子に、会社がどんなとこで、旦那が仕事で毎日どんな思いをしていて、29歳で家買うにはどんなけ心をすり減らして働かなきゃならないか。どこまで想像できるものなんだろう。とも思う。でもそう思う私はその段階で、ちょっと徹朗と同じとこがあるんだなあと自己嫌悪。同じ立場にない人同士が理解し合うって難しいです。ただでさえ難しいんだから、それ以前に徹朗はちゃんと家庭を見ておかなくちゃなんなかったんだろうと。

「愛してない。わたし、凛を愛してない」重い…。何だか、人類の起源を否定するようなショック。だから、妻に先に決死の覚悟で認められてしまったから徹朗は、自分も凛を愛してない、同じなんだ、と気付けたのかもしれない。


このドラマは、何もわかってない男が色んな女(ゆら・かなこ・りん・つぼいさん?)にもう一度育てられ直すドラマなんでしょうか。それで、かつての自分と同じような男(父親・上司)にも挑んでいくのだ。

気付くことで人は変わっていけるところを、新しく生まれる繋がりを、見せてほしいと期待します。ああ面白くなってきた!何にも気付けなくなったら終わりなんだなあと猛省しつつ。