死神の精度/伊坂幸太郎 ★★★★☆

死神の精度

死神の精度

1.CDショップに異常に入りびたる、ミュージックが大好き
2.苗字に町や市の名前が使われている
3.受け答えが微妙にずれている
4.素手で人に触ろうとしない
5.いつも雨にたたられている
そんな人が近くにいたら死神かもしれません

死神・千葉の仕事は、指令の出たある人間に一週間張りつき、その死について「可(死亡)」「見送り(生存)」の判断を下して情報部に報告すること。とはいえ、ほとんどの場合結果は「可」だ。人間の生き死にに興味はないが、仕事だからと千葉は真面目に対象者の話を聞きに行く。このちょっとずれた死神のキャラがいい。対象者との会話で何度も笑いそうに。実は死を前にしているがそれと知らない人間達のそれぞれの物語りもせつなかったり愛おしかったり様々。どの短編もいい。いつもの終焉に向けて伏線が帰結していく流れも、気合いが入りすぎておらずいい案配。色んな映像が頭に浮かんだ。すらっと読めて読後感もよい、すてきな本だ。好き!

  • 死神の精度 <暗い女
  • 死神と藤田 <ヤクザ
  • 吹雪に死神 <連続殺人
  • 恋愛で死神 <ショップ店員 対ストーカー
  • 旅路を死神 <殺人犯の青年
  • 死神対老女 <美容室のおばあちゃん