野ブタ。をプロデュース/白岩玄 ★★★★

野ブタ。をプロデュース

野ブタ。をプロデュース

ドラマに完璧にハマってるのでその原作。がっこう、というものの雰囲気、高校生の世の中の捉え方、っていうのがよく表現されていた前半。こういう処世術っていうのは誰しも無意識にやってるもんだと思う、原作修二の敗因はその仮面の上に成り立った友情やらを表面上と捉えてたばっかりに本物だとは思えなかったことで、それはある意味まじめだからなんだよな…。あれはあれで普通の感覚で言えば立派な友達だと思うんだけど。プロデュースの手法はドラマ版よりこっちのがしっくりきた。ドラマは実はあんまりプロデュースしてないし(笑)野ブタをふとったおとこのこ→暗い女の子に設定変えしたことで、「愛される笑われキャラ」としてプロデュースする、という方向が使えなくなったのが痛い。それが主題じゃないからいーんですが。ラスト、修二の墜落→変容・立ち直りまで描けてないのはページの都合なのか・単に力量の限界なのか・描きたかったテーマの違いなのかが気になるところ。最後の理由だとしたら、ドラマ化をどう思ってるんだろう。まあ、ドラマ版野ブタの完成度が高いことは揺るぎない、ドラマを見てなかったらあのラストに「は?」と思っただけで終ったかもしれないし。
読了が最終回に間に合ってよかった!ラストまで修二と彰野ブタとマリ子を見守ります。掘北真希ちゃんと戸田恵理香ちゃんを見れただけでもドラマを見た価値あり。