tatsuya−最愛なる者の側へ− @紀伊國屋ホール


◆劇作・脚本:鐘下辰男 ◆演出:茅野イサム ◆出演:津田健次郎/伊藤裕子/鈴木省吾/大口兼悟/和田正人/渡辺修
ハシモトタツヤ19歳。本籍・北海道網走市呼人番外地。網走で母に捨てられ、貧困のどん底を生き抜き、集団就職で上京してきた少年、タツヤ。学生でもが繰り広げられる混乱の街・新宿。彼の周りに渦巻くのは理不尽な差別と凄まじい暴力、そして裏切り。絶望の中、手に拳銃を握りしめるタツヤの脳裏をよぎるのは、笛のようにこだまする風の音と、容赦なく打ち寄せるオホーツクの海だった。高度成長期の日本で起きた、19歳の少年による連続射殺事件「永山則夫事件」を題材にした舞台。
※「永山則夫事件」北海道・網走生まれた永山則夫は家庭にも恵まれず、極貧生活を過ごした。中学卒業後、集団就職で上京するが、どれもうまくいかず、職も居場所も転々とする。昭和43年、19歳の永山は米軍基地に侵入し、銃を入手。東京プリンスホテル内の敷地内に野宿するのをガードマンに見つかり、盗んだ銃で射殺。その後、京都、函館、名古屋と逃走する途中で3人を射殺。翌年に逮捕される。獄中ではいくつか著書を記している。長期の裁判を経て、平成9年に死刑執行。

刑務所生まれ、父親が犯罪者、というところでちょっと砂の器テレビ版を思い出す。題材は暗く重いけど見やすい舞台だった。終演後外に出たらどしゃ降りで悲しかった。