終末のフール/伊坂幸太郎 ★★★★
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/03/01
- メディア: 単行本
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面白かった!暗い題材で悲惨な話も溢れてるのに読後感は悪くない。
小惑星の衝突により8年後に世界は滅びます、と発表されてから5年後、つまりみんな死ぬまであと3年な地球。世間は一通りの酷い恐慌状態を終え、束の間の平穏を迎えている。仙台のヒルズタウンのあるマンションに今だ残っている住人達の物語。
一章一章は独立しているのだけれど、少しずつ登場人物が被ってたりして楽しめる構成。日本ちんぼつといい、最近の私は終末の話づいてるんだけど、この本は妙に滅びまで間のある設定にしたのがうまい。よくある「地球が滅ぶってのにそんなことしたり思ったりするかー」というツッコミをいい具合に緩めてくれる、死ぬまで8年あったらけっこうこういう感じかもしれないなーと。登場人物はみんな一生懸命だったり面白みがあったり可愛かったり、特殊な状況の話なのに今までの他のどの作品よりも落ち着いたトーンだった。
忘れないために自分メモ。
- 終末のフール <頑固な父親と娘の確執
- 太陽のシール <優柔不断な夫、世界が3年で終わるのに子どもを授かったら?
- 籠城のビール <虎一・辰二兄弟が復讐のためマンションに立て籠もり
- 冬眠のガール <田口美智、恋人探し
- 鋼鉄のウール <キックボクシングジムに通う16歳の少年
- 天体のヨール <天体オタクと久々の再会
- 演劇のオール <役者を諦めた倫理子が実生活で演じる
- 深海のポール <レンタルビデオ屋の店長と父の櫓
どれも好き。冬眠、鋼鉄、天体、が特に好みでした。
なぜか公式サイトがある……… http://www.shueisha.co.jp/hillstown/
インタビュー http://www.s-woman.net/isaka-koutarou/1.html