絵になる大人になれなくても/崎谷はるひ

絵になる大人になれなくても (幻冬舎ルチル文庫)

絵になる大人になれなくても (幻冬舎ルチル文庫)

電子機器メーカーの営業・坂上真弓は、新しく入ったバイト井原峻之に驚く。坂上と井原は、高校時代、親友だった。しかし卒業と同時に井原は坂上の前から姿を消したのだ。そのことに傷つき、いまだ引きずっている坂上は八年ぶりの再会に戸惑う。「あのころから俺のこと、好きだっただろ?だから離れたのに」と言う井原に坂上は…。

うまい。前半は受がとにかくうじうじうじうじしててダアー!と投げ出したくなったけど 笑、書き下ろしらしい攻視点の第2部「そして透明な」でくっきりと関係が浮かび上がってきて納得。井原が坂上のどこをどう好きだったかも納得。そりゃこんな優等生になつかれちゃたまらんよなあ、と。おもしろかった。

「昔、真弓にこやって、いい子いい子してもらったなあ」
「あ、あれは頭だっただろ!こんなとこ、撫でてない」

(笑)