吸血鬼と愉快な仲間たち/木原音瀬
- 作者: 木原音瀬,下村富美
- 出版社/メーカー: スコラマガジン(蒼竜社)
- 発売日: 2006/12/15
- メディア: 新書
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本を見ながらアルは『ギャッ、ギャッ、ギャッ、ギャッ』と鳴いた。緩急をつけてリズムよく。
「何か、やたらギャアギャア鳴きはじめたんだけど、どうしたの?」
「発音を練習しているんだ」
一ページ読み終えたので、一枚捲る。けれど体が小さいのでなかなか上手くいかない。しっかり押さえ込もうと本の中央ににじり寄ると、本が閉じて間に挟まってしまった。ジタバタしていると見かねたのか、忽滑谷がページを開いて押さえてくれた。
「暁、本ぐらい開いてやれよ。体も小さいし、大変そうじゃないか」
「いくら蝙蝠でも、甘やかすとろくなことにならん」
「そういう問題じゃなくてさ」
帯の「アル!頑張れ〜!」というのにまったく同意でした。吸血鬼になってからいいことなんかひとつもない!うわーん!なアルの可愛いかわいそらしさの描写に同情。カタコトの外国人さんに萌えな人にもいいと思います。なんだかんだで普通に面白かったの。続くらしいので、次はラブ方面というよりも、暁のエンバーマーぶりとかその過去・人物背景とか、刑事・忽滑谷(ぬかりや)との友人関係とか、そういった方向を掘り下げてくれることをむしろ期待。