ＣＯＬＤシリーズ（
http://d.hatena.ne.jp/noraneko244/20070519#1179591463）３作目。ある日とうとう透の記憶が戻って、いきなり記憶喪失だった６年間の記憶をさらになくしている
ランボー透目線でのお話。自分の気持ちも、人との接し方もろくに知らない乱暴者で、確かに藤島に対する暴力は酷いんだけど、なんでか読んでる間、「ほんと馬鹿だ…早く気付け。気付け気付け」と祈るように成長を見守ってしまった。藤島を殴って、不安に苛まれて、慕って、だけどどう近づいたらいいのかわからなくて、また激高して殴る、その揺り返し具合の描写が絶妙で、なまなましかった。ただ嫌いだから殴るんじゃない、嫌いだけなら離れればいい、求めているから離れられなくて苦しいから暴力を振るう。藤島は、記憶喪失の透を受け入れた時点でもう他には何もいらない、一時的にでも願いが叶っただけでいい、とすべてを覚悟していたと思うので、可哀相だったけどＤＶ描写にも耐えられた。そしてラスト、ようやくこわごわと近づいた二人。私はこれはこれで、とてもいい終わり方だと思って、じんわり嬉しかったわけです。ちゃんとラブラブ…ではなかったかもしれないけど、互いしか居ないってのは伝わってきたと思う。
それにしても、毎回この、あとがきに出てくる「ご友人」ってのが気になるのはわたしだけ？だってこれって、たぶん、ねえ……？
