この世異聞/鈴木ツタ
- 作者: 鈴木ツタ
- 出版社/メーカー: リブレ出版
- 発売日: 2006/11/10
- メディア: コミック
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俺は「不治の病」にかかっていた。うちは代々何かしらの原因で皆が早死にする家で、親戚の連中には呪われた家系だと言われていた。両親もじいちゃんも亡くなって俺は一人ぼっちだった。
「大丈夫 うちにはまだ守ってくれるやつがおるから あの中におる」
苦しみと寂しさのあまりじいちゃんが遺したその言葉に俺はすがった。馬鹿馬鹿しいと思った、気休めにもならないって裏切られた気分だった。見つけたのは化石みたいな牙ひとつ。
でもじいちゃんの言ったことは本当だったんだ。だから目の前に このバカがいる。病と孤独に苦しむ山根昭雄の前に現れたのは、耳と尻尾の生えた全裸男で…?
ツタさん、実はずっと読んでみたくて、初読みでした。お、おもしろかった!!!! 絵もきれいだし、話もちゃんと展開していくし、キャラもいい。これは人気あるわけだわ〜。表題作がすげくよかったです。昭がふつうっぽくってなのにちゃんと可愛いし、召喚された人外のセツも、それらしく美形で乱暴・アッサリしててなのにせつなさを匂わせてて。うまいなあ、好き好き。病魔が黒い気持ち悪い物体で、ずるずるって、致しながらセツに食われていく表現ってのはやらしーいよねええ。意地の悪い人外ってとこで、ちょっと「ローラカイザー (3) (Princess comics)」のあかざを思い出した。
同時収録のほかの2編、「ナイロンビニール」(陽気な先生×無口でおとなしい生徒)、「神も仏もないものか」(長屋の彫物師×逃げてきた子ども。時代物)もよかった。それぞれの登場人物がカブらずにちゃんと書き分けできているのもすばらしい。これはいいライトボーイズラブですよ◎。
続編も出てるみたい。
- 作者: 新田祐克
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 1997/08
- メディア: コミック
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