ジェラールとジャック/よしながふみ

よしながさんの名作。フランス革命の近いパリ、市民のジェラールと召使いとして雇われたジャック。うおおこれはいい、好きです。親子の愛、夫婦の愛、恋人の愛。バランスがいい。二人の会話をにこにこして読みました。何より、貴族の令嬢に無茶なプロポーズをし、その愛人と3Pをし、使用人に優しく、混乱する世情のなかでもポルノ小説を書き続ける、主役のジェラールが魅力的!ジェラールだけで一冊持ちますよ。よしながさんはこういう、過去には受けで、進行形では攻めとして愛されるキャラを描くのがうまいなあ!(西洋〜の橘しかり)一人の男の生身の人生を感じる。最後まではらはらしたけど、ジェラールのこれからに幸あれ。私が祈らなくても、こいつはきっとなんとでも幸せに図太くやってくだろう、そう思えるところが素晴らしい。色男!