チェリーブロッサムハイスク─ル「まるで算数を知らない こどもたち」@ウェスト工ンドスタジオ中野

とあるビルの地下三階に、通称「スクール」と呼ばれる機関は存在する。カリキュラムは7日間。各々の事情で教師を続けられなくなった者たちが、現場復帰のための“再生プログラム”を施される。頼りない4人のスタッフ(タグチ・ムグルマ・マチコ・ヨモギ)、まとまらない4人のティーチャー(サトウ・ミト・ウサミ・カツトシ)、そしてどこか様子のおかしい4人のスチューデンツ(チトセ・ハジメ・ジュンコ・D)。そして上司アトウダと運搬係オオモリ。交流、疑い、嘘、戦争……いったいここは、誰のためのスクールなのか?
 私の名前は、あなたが決めなさい。

●劇団公式→ http://www.cbhs.jp/home.html
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一対になってる組が関わり合いながら進んでいくお話ってのは好きなので、楽しかった。まったく何も知らない人物、裏のカラクリを知ってる人物、薄々気づいてる人物、知ってるけど知らないフリをしてる人物、もっと混沌としていても面白かったかも。4組の経過の出し方もうまい按配。アレくらいのほうが想像を掻き立てられる。こんなけの人数を出しておきながらまとまりがあるってのは、コンビを作ったからこそだと思う。
出演者もみんなそれぞれの役にぴったりハマってる感じ。コナツの混乱ぶりは圧巻。個人的にはジュンコ役の人の演技が好き。戦争で閉鎖されて、ヨモギが戻ってくるあたりがどうなるんだろーっていちばんどきどきしたかな。で、肝心のラストはちっとわかりづらかった。ゆるされた、ゆるした、情操教育がいちおうの成功、ってことで、後ろで大人が刺されてようが倒れてようがお構いなしなラストが象徴的。こどものためのスクールだったってことでそれはそれでいいんだろう。本当は社会もこのようにこどもの為にあるべきなのだ、というアンチテーゼに帰結。