おおきく振りかぶって9巻/ひぐちアサ
- 作者: ひぐちアサ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/12/21
- メディア: コミック
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ネタバレ一応隠します。
アベミハの意思不通(意思疎通の反語)がおもしろすぎる。試合観戦時での相変わらずの世話焼きぶりと言葉足らずぶり、「あっつーまになくなっちまうっつーの」とまで言う心配性ぶり、次いで「ニコオ!!」のキモチワルイ笑顔→「通じた〜〜〜〜!!」で既にぶふっとキてるのに。コールド提案で腹黒さを見せつけ、極めつけが「目をつぶってきくとあまりムカツカナイんだぜ」「アレ 阿部くん 寝てる」でもうだめ。ヒーヒー笑う。ニタアって阿部ってばなんて似合うんだ……くくく。そして相変わらず二人ともがんばって口に出してはいるんだけど、正しく全部言えてないし、正しく意味を受け取れてない。あ〜はがゆいいいいいでもそれがいいいいいい! まだまだバッテリーの先は長そうです。
他にも気になる人たちがいっぱい。
- カズさんと呂佳さん。うおお西浦が褒められてるようでうれし。しかしやっぱ三橋のコントロールはそんなに信じがたいことなんだなあ。
- 花井キャプテン、大好きなんですよ。天才を前にしてどうしても自分の限界を必要以上に見てしまう普通のひと。苦労人だー(涙)。がんばれがんばれと応援。早く吹っ切って開眼してくんないと気が気じゃないってば。
- ぐるぐるする花井をよそに、田島と泉はスパンッ!と非常に快活な思考で、男前だー。田島の「満足してんなよ」はゾクッとしたね。泉は、三橋のこととか周りをちゃんと見てんだけど、ふんとにヤバそうなとき以外は見てるだけで助け舟は出さないんだよね、それが三橋に対する信頼であり尊重することだと思ってそうだよ。と、そういう子らがたまに見せる迷いや弱さもまたモエなんですけれどもね。やっぱ気持ちいいよね、ファンが多いのもわかるーんでも私は花井も応援しちゃうんだよなー。
- 9組の会話。モモカンの胸のカップの話、つまりはモモカンをオンナとして見る話をさりげなく切る田島悠一郎。なんというかっこよさ。三橋は横で食ってるだけだしよ(笑)
- 3回戦のスタメン発表。呼ばれる西浦ーぜの、そのたびごとの心の声がいとおしくってもう。どうしよ。「変わらないのは評価されたと思っていんだよな」とか「阿部の分打順下がった!」とか、全員が全員、こんなにかわゆく思えるなんて異常!
- モモカンの過去も気になる。
- モモカンもそうだし、相手校を通してとか、高校野球で勝ち進んでいく光りの道だけじゃなくって、そのほかの、たくさんのあとにくるもの・残るものや、そういう一種の残酷さ・無常さみたいなものを滲ませるのが本当にうまいなあと思う。
- 沖くんがんばって!そこで気弱同盟として阿部にもっと言ってやって!(笑)
- 栄口がかしこい子ですばらしい。しかも単なるいい子ではなくって、阿部に「なんでもないよー せつめいすんのめんどくさい」と笑顔で言ってのけてる図太さがまたいいんだよなー。キャラ造詣すごいな。で、栄口の考察の中身がまたせつなかったりあったかかったり。そうかあ、そういうことかあ。マウンド譲ったら「自分が居なく」なっちゃう、ってそれはすごい怖いね。そこに自ら追い込まれていっちゃった(だってマウンド叶に譲ればたぶん全無視はされない…こともないか)ってのがまた三橋らしいんだけど。三橋の執着の根っこもわかる気がする。
- 大地くんのおばかキャラさいこう。田島とのあっけらかんとした会話に高校生らしさが出てて微笑ましい。
- 何気に栄口と巣山の職人コンビも好きだったりする。ナイスバンドを称えてベンチで迎えてたりしてニヤけちった。うーんもう、らーぜはどんな組み合わせでもいいや。
- 全般的にいちいち擬音がかわいいよね!「ムニムニ」「メルメル」に代表される。「もがもが」「てけてっ」「ジーワジワ」。「カッ」と「ビクッ」のセットには笑った。
これは読んで損はない一冊。最後のページの阿部さんの顔が怖いです、だいすき!(笑)次巻も楽しみだ〜。