雲上都市の大冒険/山口芳宏 ★★★☆

雲上都市の大冒険

雲上都市の大冒険

雲上の楽園と呼ばれ、近代的な鉄筋アパートが建ち並び、福祉的な設備の整った北の鉱山街・四場浦鉱山。その平和な街の奥底で、恨みを抱きつつ着々と復讐の計画を進行させている男がいる。その名は座吾朗。「二十年後にかならずここを出て、おまえらを殺してやる」と絶叫し、昭和27年11月、ついに二十年来の復讐の幕が切っておとされた――。溶接された地下牢から、一晩で姿を消した座吾朗。首なし死体に、遺された血文字。さらに続けて起こる殺人事件に、犯人からの脅迫状。
怪人に対峙する名探偵は、二人。ホワイトスーツに身を包んだ、気障で女たらしの有名探偵・荒城咲之助。よく回る口で“わらしべ長者”のように登場し、独特な義手を持つ学生(自称)探偵・真野原玄志郎。若輩弁護士・殿島とともに行動する名探偵たちは、座吾朗の驚愕の脱出トリックを解き明かすことができるのか。そして雲上の楽園に隠された秘密とは?

鮎川哲也賞受賞作。探偵が二人いるっていうのはいいね!真野原のキャラは、やっぱりどう転んでも魅力的。ずっと頭の中には浦原喜助@ブリーチが浮かんでましたけども。座吾朗の脱獄の仕方(のかたいっぽう)は、私はけっこう「そこまでやるかー!」と執念を感じれてよかったです。もういっこのほうはちょっとあり得ないけどもー。ラストのほうで、真野原が「探偵は歴史なんですよ」って言うとこはかっこいかった!痺れたー。バカミスバカミスと言われておりますが、私はミステリーのみだと読まなかったかもしれないので。こういう大活劇もたまにはいいな。それにしても、エピローグには応募作なのに禁断の続きます!宣言。よく賞取れたw しかし続き(というか他の事件話)出たら読みたいです。まのはら〜。