眠る兎/木原音瀬

眠る兎 (ビーボーイノベルズ)

眠る兎 (ビーボーイノベルズ)

木原さんの1995年初出のデビュー作、らしいです。b-Boy12月号。ノンケの高校生・里見 × 同じ学校のゲイの教師・高橋。今読んでる木原作品もそうなんだけど、身勝手な高校生が相手をからかい半分・または意地悪に関わってるうちにお互い惚れちゃって、紆余曲折の末何年も一緒に添い遂げるようになる・・・というお話。木原さんはこのパターンが好きなんだろうか、単に得意なんだろうか(笑)。ゲイ雑誌の恋人募集→手紙→会う、という流れが時代を感じさせます。今なら携帯サイトの出会い系なわけですもんね。そしてすごく読みやすかった!お互いに自分の素性を隠し嘘をつき合いながら進んでいく関係…ストレートにシンプルに、だけど木原さんらしさのあるBoysラブストーリーだった。始まり方がくだらないとこが、ちょっとそれはないかな、と思いつつもそんなもんなのかもしれない。高校生の若さゆえの残酷さがむかつくんだけど、相手を好きになってからのどうしようもなさ・必死さの描写がちゃんとしてるから、幸せになってよかったね、と思ってあげられる。高校生里見の成長ぶりはすごいね、きっともともといいやつで、先生のいいとこも見てあげられるような子だったからくっついたんだよきっとー。なんかうれしくなってしまった。書き下ろしの、初恋の相手に偶然会う「冬日」もよかった。